英文誌編集委員会報告

日時: 2006年9月15日15時〜18時

場所: 岩手大学農学部1号館213号室

出席者: 西海 功、酒井秀嗣、高須夫悟、中村雅彦、森 貴久(欠席:日野輝明、岡ノ谷一夫、古賀公也、村上正志)

(1) ORNITHOLOGICAL SCIENCE 編集状況

 今年度は,第5巻1号(特集11編;原著3編;短報2編;技術報告1編:148ページ)が特集の編集が遅れたために例年より数ヶ月遅れて7月に発行され,2号は現在編集中で12月初めに発行予定である(特集9編;原著3編;短報5編;コメント2編:約110ページ)。特集はこれまで年に1回第1号に掲載してきたが、今年度は昨年の大会シンポジウム講演を中心にした猛禽の特集がオーガナイザー(堀田・樋口両氏)の意向により2号にも掲載されることになった。これにともない、来年の特集は2号(オーガナイザーは森貴久氏)に予定している。

 この1年の間に43編(うち12編国外からの投稿;20編依頼論文)の投稿があり、23編が受理、5編が却下、15編が編集継続中(うち依頼論文8編)である。このほかに昨年度から編集を継続しているものが2編ある。昨年まで投稿数は着実に増加し、アジア諸国を中心に海外からの投稿が半分弱を占めるほどになってきていたが、今年は国内外ともに投稿数が減少した。また、投稿論文(依頼論文を除く)の却下率は国内からの論文は減少傾向にあるが、国外からの論文はあいかわらず50%以上と高い。  今年初めてComment論文の投稿があった。4巻1号の托卵特集のうちの1つの論文に対するもので、査読は編集委員でありかつ特集のオーガナイザーであった高須氏にお願いした。この論文はターゲット論文の著者によるReply論文と一緒に、5巻2号に掲載予定である。

(2) ORNITHOLOGICAL SCIENCE引用率

 ISI Web of Knowledgeによれば、ORNITHOLOGICAL SCIENCE掲載論文(Vol.1-4計80編)のISI採択誌による引用は合計で38回である。発行後2年間の発行論文数あたりの引用回数として計算される各年のImpact Factorを計算すると0.15-0.20となり、Ostrichと同程度である。ISI採択誌になった場合にはORNITHOLOGICAL SCIENCEによって引用された論文も含まれるので、その場合の値を計算すると0.3-0.5になり、Wilson BulletinやEmuと同程度になる。

今後はImpact Factorの対象誌となるようにISIに申請していく必要がある。しかしながら、新たに採択誌になるには年4回発行が必要条件ともいわれており、またもう一つの重要な条件である定期刊行がままならない現状では難しいかもしれない。

(3) ORNITHOLOGICAL SCIENCE電子版のアクセス率

 2006年の書誌事項(抄録)へのアクセスは毎月100-250件あり、論文全体のPDFファイルへのアクセスも毎月約100件ある。書誌事項へのアクセスのうち5割から8割は海外(約40カ国)からで、とくに4月からGoogle Scholarで検索可能になったことでその割合が急増した。しかしながら、PDFファイルへのアクセスについては5割程度に留まっており、これは1年間の認証期間によるものと思われる。

(4) UniBio Pressの活動状況

 UniBio Pressに今年度から新たに日本爬虫両生類学会の英文誌Current Herpetologyが加わり6誌となる。J-stageへの電子版搭載用の費用はこれまでSPARC(国際学術情報流通基盤整備事業)の支援によって行われていたが、今年からは学会予算で行うことになった(昨年の評議員会了承済み)。

 国内図書館だけでなく海外図書館への販売を促進するため、米国発行の電子ジャーナルパッケージBioOne(Auk, Condorをはじめ米国発行の生物学系雑誌80誌が参画)と、来年からの協調連携の契約を8月31日に締結した。このパッケージは全世界540機関、550万人が利用しており、この契約により、ORNITHOLOGICAL SCIENCEの国際的な認知度の向上や引用率の上昇が期待される。

(5) コメントへの対応

 コメントは2ページ以内でターゲット論文に直接関係する内容に限る。

(英文誌編集委員長)