英文誌編集委員会報告

日時:2009年9月19日(土)14:00〜15:30
場所:北海道大学水産学部2講義室
出席者:中村雅彦(委員長),日野輝明,西海 功,酒井秀嗣,天野達也(欠席者:森 貴久(副委員長),古賀公也,村上正志,岡ノ谷一夫,高須夫悟),オブザーバー:綿貫 豊

1)ORNITHOLOGICAL SCIENCE編集状況
 今年度は,第8巻1号(特集7編、原著1編、短報3編、95ページ)を6月末に発行し, 2号は現在編集中で12月に発行予定である(原著5編,短報5編).第8巻1号の特集は、日本人によるマダガスカルの鳥類調査が今年で20年を迎えることより、中村雅彦が「Birds of Madagascar」というタイトルで編集した.
 編集委員長を交代した2008年1月から12月まで27編,2009年から現在までに16編の投稿があった.2008年の27編のうち、11編が受理,5編が却下、11編が編集継続中である。2009年の16編のうち,8編が受理,3編が却下,5編が編集継続中である。総じて短報が多く、中国、ロシアの原稿はリジェクトが多い。
*第8巻2号は,原著論文6編,短報5編(139ページ)を収録し,12月末に刊行した.

2)ORNITHOLOGICAL SCIENCE電子版のアクセス率
2007年から2008年のORNITHOLOGICAL SCIENCEへのフルテキストダウンロード件数は2007年の7月以降250件以上ある.この件数は,UniBio Pressに参加している6誌の中では,学会規模を考えるとかなり良い数値である.

3)ISI申請
ORNITHOLOGICAL SCIENCEの国際的認知度を高め,論文投稿数の増加を図るためには,Impact Factorの対象誌となる必要がある.採択の主な条件として,定期刊行が行われていること,編集委員や著者が国際的であること,地域を代表する雑誌であることがある.現在こそ,申請を急ぐ必要があることから、Advisory Boardを廃止し,そのメンバーをEditorial Boardに移行,発行月を6月と12月にした.2007年12月に発行された6巻2号から申請をした.
その後,2008年7月に雑誌をTHOMSON ISIに送るときインパクトファクター取得のための審査をお願いする旨に手紙を同封した.2009年1月(3冊目送付後)インパクトファクター取得の審査を行って欲しい旨の手紙を送った.その後,今までの号はすべて期限を守って発行している.審査結果の内容を教えてもらいたい旨のメイルを2回、Thomson Reutersのアドレスに送ったが返事がない.

4)UniBio Pressの活動状況

a)UniBio Pressには現在6誌が加入している.UniBio Pressは、国内図書館だけでなく海外図書   
館への販売を促進するため,2007年1月よりSPARCの支援を受けて作られた米国発行の電子ジャーナルパッケージBioOne(Auk, Condorをはじめ米国発行の生物学系雑誌80誌が参画)との連携により,BioOne2に参画し、ORNITHOLOGICAL SCIENCEの電子版はVol.4 No.1から搭載されている.このパッケージは全世界540機関、550万人が利用しており,この契約により,ORNITHOLOGICAL SCIENCEの国際的な認知度の向上や引用率の上昇が期待される.

b) 平成21年度事業費と予算
UniBio Pressの理事会において,BioOneからの購読料収入(予算額465万円)の内,参加学会への配分を何パーセントとするかが議論された.その結果,本年は厳しい予算状況(国立情報学研究所のSPARC Japan事業からの経費支援がなくなる等)が予想されることから,50%とし,残りの50%は UniBioPressの運営にあてることとした.鳥学会への配分(上記50%を頁数と利用数によって6参加学会へ按分した額)は,約13万円となる見込みである.

c)Ornithological Scienceの登録
Ornithological Science は,BioOneに2005年分から登録され,今後刊行される毎に更新されていく.今年度,科研費が措置されたので,2002〜2004年分を登録作業中である(経費の関係で,BioOneデータベースそのものではなく,BioOneからリンクしているBiodiversity Heritage Library Databaseに入る予定).

5)その他

a)委員の交代
  日野輝明,村上正志両氏の退任にともない,評議員会の承認のもと綿貫 豊,関 伸一,高木昌興の3氏を新委員として補充した.

b)入稿のためのチェックリストの作成
 入稿時における編集委員の負担を軽減するため,著者による論文修正のためのチェックリストを作成した.


(英文誌編集委員長)