2005年度評議員会報告

日時:2005年9 月16 日(金)

場所: 信州大学理学部12番教室

出席評議員:阿部 學,石田 健,上田恵介(事務局長),江口和洋,江崎保男(基金運用委員会委員長),尾崎清明(鳥類保護委員会委員長),唐沢孝一,川路則友,永田尚志(会計幹事),中村浩志(副会長),中村雅彦,樋口広芳(会長),藤岡正博,藤巻裕蔵

委員会:岡 奈理子,亀田佳代子,西海 功(庶務幹事),日野輝明,平岡 考,百瀬 浩

事務局:山口典之

UniBio Press:長井

監事:黒沢令子

報告事項

1) 各種委員会報告(委員会報告を参照)

2) 事務局報告(事務局報告を参照)

3) 役員選挙結果(選挙報告を参照)

4) 2006 年度大会日程:岩手県立大学,9 月15-9 月18 日開催


審議事項

1) 来期事務局体制について

事務局長:中村雅彦,会計幹事:永田尚志,庶 務幹事:西海功の各氏に決定.

2) 2004 年度会計決算報告

3) 2005 年度会計中間報告

4) 2006 年度予算案

5) その他

a) 規定改訂
 a-1 基金運営委員会再発足に伴う奨学賞規定の廃止
 →承認
 a-2 HP 委員会の活動内容見直しに伴う規定改訂及び名称改訂(広報委員会に改称).
 ・百瀬 浩ホームページ委員長より説明
 Web ページの立ち上げや,ジャーナルコンテンツの更新は目途がついた.今後は他の委員会と連携して情報を提供していきたい.以前の「鳥学ニュース」にあたるオンラインコンテンツを作りたい.それに伴い,名称を広報委員会に改称したい.
 審議
 ・各委員会のWeb ページ担当は,新たな広報活動のどこまで関わらないといけないのか?
 ・当面は,これまでどおり各委員会のWeb ページに関する情報提供や更新を担当してもらうだけ.
 →承認
 a-3 選挙に関わる細則第2 条の改定
 ・西海功選挙管理委員長より説明
 現規定は評議員選挙有効票の定義が厳しい.無効票を減らすために改訂をしたい.
 審議
 ・基本的に意義は無い.だが,何故現規定はこういうものになったのか,その経緯が聞きたい.厳しい規定に何らかの理由があるなら安易に変えてはまずいかもしれない.
 ・他学会でも,だいたいそこまで厳しくない.ただ規定を緩くすると開票作業が大変になる.
 ・経緯をさかのぼる必要はないのではないか?
 ・案に賛成だが,「重複分」の重複の意味は?
 ・ひとつだけ取る.両方無効にはならない.
 ・それは規定に明記した方がよいのでは?
 ・規定はこれで良いが,了解事項として1 名は有効にするということにしましょう.
 ・意見として,従来の評議員が引き続き選ばれる傾向があるので,それはよろしくない.若い人,女性にも入ってきて欲しい.多選禁止にすることはないが.
 ・私も賛成.ずるずるとやってきているが,二選ぐらいすれば,次に譲っても良いのではないか.
 ・若い人の評は割れる傾向があるので,次点になってしまう.
 ・執行機関ではないので,評議員には多選禁止は無くて良い.でも若い人には入ってきて欲しい.しかしそれは,各種委員会で活躍してもらっても良いのではないか.
 ・私もそう思う.委員会に若手を登用し,自然に評議員になれば良いのでは.いまでもそれなりに世代交代している.若手には委員会で活躍してもらえば良い.
 ・いろんな人にチャンスがあっても良いのではないか.評議員は委員会と違って自由に意見がいえるわけだし.アマチュアの人にしてもそう.アマチュアの立場で意見を言ってもらっても良いのではないか.
 ・面倒だから,これまでの評議員の名前を選挙時に書いてしまう.多選禁止を作らないと,なかなか世代交代しないのでは?
 ・その通りで票は固まる.次点以下に有望な顔ぶれがいる.
 ・そういう人には委員になってもらう.
 ・有望な人は自然と評議員になる.そういう人は自然と委員も務めるだろう.

b) 2005 年奨学賞,奨励賞の決定
 ・江崎保男基金運営委員長より説明
 吉田保晴さんを奨学賞受賞者としたい.ハシボソガラスの社会性に関する研究で多数のカラスを個体識別し,なわばり個体,非なわばり個体の社会制を解明した.研究奨励賞については,1 名の応募があったが,検討の結果,残念ながら不採択となって,今年は該当者なしとなった.総会でも述べるが,募集期間が短かったという不手際があった.
 →承認

c) 基金運用中期計画
 ・江崎保男基金運営委員長より説明
 奨学賞奨励賞は毎年5 万円.津戸基金では二年に一度はシンポを開きたい.一回につき10 万円は出してあげたい.伊藤基金はIOC助成で,4 年に一度.一回につき30 万円.収入は寄付を期待.中期計画では今後8 年間で77 万程度を見込んでいる.基金残高は2,000 万以上で伊藤基金の利子はIOCに回すことになっている.小口基金などの残高の内の77万を今後8年間で投資するということ.これぐらいは投資しても良いのではないか.
 審議
 ・企画委員会としては,ありがたい.例えば,中期計画を企画委員会を立てて,ある年には国際シンポをしたいので,ある年には5 万で,ある年には20 万支給ということができるのか?
 ・それは難しいが国際シンポを行うことは良いと思う.
 ・そのあたりは外部資金を獲得することを考えても良いと思う.
 ・国際シンポのお金は伊藤基金を出したこともある.原理的には伊藤基金から出したいが,IOCへの支出がでかいので難しい.外部資金が妥当だろう.
 ・選挙が二年に一回なので,そういう谷間で良い企画であれば,予算要求して貰えば良いのでは.

d) 英文誌電子出版について
 ・日野輝明英文誌委員長より説明
 Ornithological Science を電子ジャーナルパッケージUniBio Press に組み込んで販売することとなったが,購読図書館が冊子を求めてきたときに,格安販売しても良いか? 試算すると,一冊当たり100 円の赤字になるだろう.これについては,UniBio Pressの利点が大きいので,了承して欲しい.
 審議
 ・冊子体を求めてくる図書館はほとんどないだろう.

e) IOC でのバックナンバー配布について
 ・日野輝明英文誌委員長より説明
 IOCでOrnithological Science を宣伝するためのパンフレット作成費はSPARCでもってくれることになった.しかし,現地に雑誌現物を持っていきたいので,最新の4 巻以降を50 部ほど持っていきたいが,承認をお願いしたい.
 審議
 ・IOCはとても良い宣伝の場.とても良いと思う.
 ・くばり方を工夫した方が良いのでは? 宣伝効果を考えるべき.
 ・小出しに展示して,サンプルは置いておくというようにする.
 ・古いissue を持っていってどれほど効果があるか.
 ・一番良いのは,最新号を余分に刷っておくことだ.
 ・影響力がある人にあげるのがよいだろう.
 ・バックナンバー数にはそんなに余分がない.50 以上持っていくには,新しいのを余分にするしかないのでは.
 ・サンプルなので現在ある号を持っていけば良いだろう.印刷費はそんなにかからないので,余分に刷っても良いかも.

f) 和文誌電子出版,PDF配布および観察記録カラー化について
 f-1 電子出版およびオープンアクセスについて
 ・岡 奈理子和文誌委員長より説明
 来年度1 号からJ-Stageに登録したい.これまでの五十数巻はJ-Stage のサービスなどを求めて,PDF化をしていきたい.オープンアクセス化すると,学会員が減るという意見もあるが,現在のところ,他学会で減少傾向はないようだ.
 審議
 ・実際にどこの学会のことを言っているのか.他の学会で減らないかもしれないが,鳥学会では減るかもしれない.例えば,生態学会と鳥学会では性質が異なる.
 ・去年もこういう議論が出たが.私はいまでも反対だ.去年の議論をどういう風に踏まえているのか? 昨年も意見が分かれていた.
 ・社会として研究知見の迅速な還元を学会に期待している.ジャーナルをオープンにすべきではないか.  ・私は賛成なのだが,やはり会員は減るかもしれない.
 ・最初からオープンなのか.何年クローズにするかが問題かもしれない.
 ・どれくらい会員が減るかが予測できない.いま踏み切るのが良いか,何とも分からない.
 ・経営母体にかかわる会費にかんすることだ.和文誌しか読まない会員が多いので,ここをフリーにするかどうかは大きな問題.踏み切るかは,もっと詳細なデータを持ってきてくれないと決断できない.
 ・一年はクローズにする.
 ・それでは英文誌と同じ.Ornithological Scienceと和文誌の性格は異なる.
 ・私はある程度減っても良いと思う.それで新たな購読者層を開拓できるかもしれない.会員が減ったら減ったで会の予算規模を減らせばよいのではないか.それよりも,雑誌をオープンにすることを進めたほうが,情報を発信した方がよいのではないか.
 ・電子化に反対はしない.しかし,どうしてアブストラクトだけではダメなのか.電子情報としてそれ以上の公開を求める人は会員になってもらえば良いのではないか.全文を公開することにメリットはどれほどあるのか?
 ・図表入りを世に送り出したい.情報量が全く異なる.
 ・別刷り請求すれば良いのではないか?
 ・発表者としては多くの人に見て貰いたい.現在,非会員でも,多くの人に見てもらえるのであれば,日本鳥学会に加入し,和文誌に投稿する人が増えるのでは.
 ・古い雑誌を公開することには問題ないのか.
 ・それはOKだろう.
 ・私としては,著者にPDFを渡すし,要旨に著者のアドレスを書く.それで充分だと思う.
 ・英文誌は海外に飛び出す論文.非常にオープンアクセスは馴染む.和文誌は性格を考えて欲しい.
 ・電子化は進めてもらって,何年有償かという方針が決まれば,その時点で公開を始めれば良いでしょう.
 ・和文誌の位置づけを来年までにはっきりして欲しい.

 f-2 著作権協会への委任について
 ・岡 奈理子和文誌委員長より説明
 現在委任している著作権協会に来た別刷り請求にPDFを配布して良いか.著作権は学会にある.また,論文著者へPDFを配布してよいか.
 →承認
 f-3 観察記録のカラー化について
 ・岡 奈理子和文誌委員長より説明
 これまでは著者負担.できるだけ表紙に誘導してカラー化を進めたい.
 ・表紙にすると,別刷りはどうなるのか.著者負担しかないだろう.