鳥学セミナー「第4回鳥の学校:論文を書こう!」報告

 鳥の学校は,研究の意欲はあるが調査や分析,論文化のしかたがよくわからないという会員を対象に,日本鳥学会(企画委員会)が開催しているセミナーである.
 第4回は,論文のまとめ方をテーマとし,NPO法人バードリサーチとの共催で,大阪市立自然史博物館の会場提供と後援を得て,2011年12月3日(土)から4日(日)に行われた.講師は,バードリサーチ代表の植田睦之氏と国立科学博物館動物研究部研究主幹の濱尾章二氏にお願いした.
 22名の参加者の内訳は,研究を職業としていない者86%,大学生・大学院生9%,環境コンサルタント会社勤務5%であった.
 1日目は,論文とはどのようなものか,論文の書き方,まとめる上での注意点,論文掲載までの流れについて講義があり,その後に4名の参加者が,論文にしようと考えているデータに基づく研究発表を行った.夜には懇親会で交流を深めた.2日目は,前日の研究発表をどう論文にまとめるかについて,2班に分かれてグループディスカッションが活発に行われ,論文化の具体的な方向について実践的に学んだ.
 参加者アンケートの結果,「論文を書く意欲が高まった」という感想が非常に多く,「今後,論文を書く上で非常に参考になった」,「論文化の筋道が理解できた」,「実際に受講者のデータを使って,論文の構成決定のシミュレーションができたのは良かった」等の意見があり,実践的な講座内容が参加者に役立ったことが覗えた.「ディスカッションの時間が不足した」「発表した4名以外のデータの論文化についても検討してみたかった」等の時間不足に関する意見もあった.他には,「データ解析や検定の方法について知りたい」という意見が多く寄せられ,これについては講師の植田氏が,相関解析などのやり方のコンピュータ上の操作を見せる動画サイト(http://www.ustream.tv/recorded/19005434)を開設し,フォローアップを行っている.
 鳥の学校は今後も各地で開催する予定である.案内は,学会ホームページや学会誌に掲載する.

(企画委員会)