日本産鳥類記録(僅少記録種)収集、検討結果の一部公開

日本産鳥類記録委員会

鳥学ニュース(No.76:4-5, 2000)でお知らせしたとおり、鳥類記録委員会では、日本産鳥類の各地におけるこれまでの確認・公表記録の収集活動を積極的に遂行中です。その一環として、さらなる追加情報の掘り起こしを促し、記録を充実させるという方針から、HP上でこれまで収集してきた記録を少しずつ公開していきます(ただし分類順にはしたがっていません)。なお、これらの記録のなかには、日本鳥類目録改訂第6版において、検討中もしくはリスト外になっている種も含まれますが、この公開をもって鳥学会が追加公認したと言う意味では決してありません。目録に追加するためには、後に組織化されるであろう次期目録編集委員会(仮称)による厳密な検討を必要とします。今回の記録は、あくまでもその基礎資料として、より充実したものを提供するためのものであり、認定可能な文献ばかりが含まれているとも限らないということは認識していただきたいと思います。

 近年、鮮明な写真を多く含んだ図鑑類が多数刊行されています。これらは、貴重な記録を埋もらせることなく、公の場での検討の機会を与えたと言う点で、評価されるものと思われます。当委員会もこれらの文献を重要記録として認識しています。しかし、これらの中には、スペース等の関係で、掲載された写真について、またそのほかの記録に関して、簡単な記述のみがされている例がほとんどです。また、多くの既存文献を収集し、それをもとに詳細な記述を加えたものとして、Brazil (1991)がよく知られていますが、その中には出版物としての記録だけでなく、私信をも多く含んでいるために、確実性に欠けるものが含まれています。しかしその後、このような有効な文献が残念ながら出てきていないのも事実です。これから随時公開していく予定の記録は、これらを含んだ出典文献の記述およびそれらに対する委員会としての検討を主体としたものですので、会員各位には、これらの検討結果に対する意見、新しい文献等の追加情報がありましたら、川路(e-mail: kawajin@ffpri.affrc.go.jp, Fax: 0298-74-3720 )までぜひお寄せください。

 今回の記録僅少種リスト公開の趣旨は、記録委員会の成果を公開する一方で、記録委員会で収集できなかった記録文献について会員各位からの情報提供をお願いするとともに、未発表の記録僅少種の記録をお持ちの方に出版物への発表をしていただくようお願いすることにあります。未発表記録をお持ちの方は、ある程度以上広く流布されている鳥や野生生物、自然に 関する学術雑誌、団体誌や商業誌へ積極的に発表していただくよう発表していただくよう強くお願いします。その際には、単に種名だけの報告ではなく、観察された個体の形態や行動の特徴をなるべく詳細に記述し、また写真等の証拠があればそれを添付していただくようお願いします。なお、発表記録が地方出版物に掲載され、記録委員会で入手が困難と思われるものについては、印刷ページのコピーなり、別刷りなりをぜひとも、記録委員会川路宛てにお送りくださるようお願いします。新聞記事は、速報性を優先するためにしばしば内容の信頼性に欠けることがあり、また地方版などに掲載された記事の収集は困難なため、新聞記事になったものについては別途発表していただくようお願いします。

 なお、本表を作成するに当たり、以下の点に留意しておりますので、ご了承ください。