英文誌編集委員会報告

日時: 2007年9月21日

場所: 熊本大学

出席者:

(1)ORNITHOLOGICAL SCIENCE編集状況(添付資料1&2参照)
 この1年の間に35編(うち国外からの投稿15編;依頼論文5編)の投稿があり、8編が受理、9編が却下、18編が編集継続中である(ほかに昨年度から編集を継続しているものが1編)。第6巻1号(原著4編;短報1編;技術報告1編:52ページ)は受理原稿不足のために、予定より遅れて7月に発行された。2号は現在編集中で12月初めに発行予定である(特集5編;原著3〜6編;短報2〜4編:約80〜120ページ)。特集は「Biologging science in seabirds study」というタイトルで、森貴久氏によって編集中である。
 発刊から6年間の投稿論文総数は194編(原著89編、短報等56編、依頼49編)で、この数年は年間35-40編で推移している。国外からの投稿の総数は72編(37%)で、そのうち51%がアジア(12カ国;インドからが最多で14編)から、ついで28%がヨーロッパ(10カ国)からの投稿である。投稿論文(依頼論文を除く)の却下率は平均41%で、とくに国外からの論文の却下率が60%(国内は31%)と高く、投稿論文数の増加の割に掲載論文数は増えていないが実情である。
 
(2)ORNITHOLOGICAL SCIENCE引用率(添付資料3参照)
 ISI Web of Knowledgeによれば、ORNITHOLOGICAL SCIENCE掲載論文(Vol.1-5計112編)のISI採択誌による引用は合計で66回である。発行後2年間の発行論文数あたりの引用回数として計算される各年のImpact Factorを独自に計算すると0.15-0.29となり、年々増加している。ちなみにISI採択誌になった場合には、ORNITHOLOGICAL SCIENCEによって引用された論文も含まれるので、その場合の値を計算すると0.3前後(2007年は8カ月文のデータなので単純に1.5倍すると0.44)になる。この値は、ISI採択誌である他の鳥学誌の下位のグループより高いか同程度である。
今後は論文投稿数の増加を図るためにも、Impact Factorの対象誌となるようにISIに申請していくことを最重要課題として取り組んでいく必要がある。申請はWebを通じて行い、3号分を送付することで定期刊行が行われているかがチェックされたあとに、採択の可否が審査される(一度不採択になると2年間申請できないという制限がある)。肝心の定期刊行がままならいために、これまで申請を控えてきたが、アジアの鳥学誌に現在採択誌がないことをセールスポイントにして申請を急ぎたい。

(3)ORNITHOLOGICAL SCIENCE電子版のアクセス率(添付資料4参照)
 J-stage登載の電子版の書誌事項(抄録)へのアクセスは、2006年9月に急増して、現在は月当たり700-1100件で推移しており、そのほとんどはGoogle経由による国外からのものである。それに応じて、論文PDFファイルのダウンロードも増加しており、現在は月当たり400-700件である。また、1月から登載されているBioOneの電子版では、この8ヶ月間に755件の全文ダウンロードがあった。

(4)UniBio Pressの活動状況
 UniBio Pressは、国内図書館だけでなく海外図書館への販売を促進するため、今年1月より米国SPARC の支援を受けて作られたBioOneとの連携により、BioOne2に参画し、ORNITHOLOGICAL SCIENCEの電子版は現在Vol.4 No.1から5号分が登載されている。UniBio PressはBioOne2の掲載論文を正式な電子ジャーナルとして活動することになり、J-stageへの掲載の継続は各学会の判断に任されることになった。問題は両者間で電子版のフォームが違うために、現在はJ-stageのフォームをBioOneのフォームに変換する必要があることである。そのための費用は来年の3月まではSPARCの支援で行われるが、4月以降どうするかを決める必要がある。ORNITHOLOGICAL SCIENCEではとりあえず来年まではこれまでどおりに行い、変換の費用はUniBio Pressの売り上げで行うことになった。電子ジャーナルを安く作成する方法として、インドなどの国外の出版社でBioOneのフォームの電子版を安価にまず作成して、そのあとにPDFを使って国内の出版社で冊子体作るという方法も検討されている。

(5)機関リポジトリーへの対応方針
 大学などからの機関リポジトリーへの対応は、「発行から1ヶ年経過後に出版社版を掲載可、学会への許諾不要」の方針でいくことにした。

(6)編集体制の交代と編集委員の追加
 新編集委員長  中村雅彦
 新編集副委員長 森貴久
 新委員     天野達也

(7)その他の検討事項
 @ Advisory Boardの廃止とEditorial Boardの外国研究者の追加
 A 原著と短報の仕分け;短報のAbstract掲載
 B 電子ジャーナルと冊子体の印刷・発行プロセス
 C ホームページの充実化

(英文誌編集委員長)