鳥学セミナー「第3回鳥の学校:初級向け統計講座」報告

 鳥の学校は、研究の意欲はあるが調査や分析、論文化のしかたがよくわからないという会員を対象に、日本鳥学会(企画委員会)が開催しているセミナーである。第3回は2008年12月20日(土)から21日(日)に国立科学博物館附属自然教育園講義室において行われた。講師は同自然教育園の濱尾章二氏にお願いした。26名の参加があり、内訳は研究を職業としていない者42%、大学生・大学院生27%、環境コンサルタント会社勤務15%、研究を職業としている者12%、不明4%であった。
 内容は、データをわかりやすく示す方法、母集団、標準偏差と標準誤差、検定の原理を基礎から解説するとともに、二群間の比較、相関、比率など基礎的検定手法について、原理と使い方を練習問題を解きながら学んだ。また、データの独立性、サンプルサイズ、有意差がなかったときの解釈などに関するよくある誤解について、正しい考え方が強調された。
 参加者の感想には、「これから論文を書くために役立つ」「初歩からの解説で理解が進んだ」「論文に書かれている検定の意味がわかるようになった」等が多く、研究の初歩におけるつまづきの原因となりがちな統計的検定について、基本から理解できる適切な内容であったことが覗えた。
 鳥の学校は今後も各地で開催する予定である。案内は、学会ホームページや学会誌に掲載する。

(企画委員会)