鳥の学校(第3回テーマ別講習会)
「実践!今日からはじめるDNA分析」報告

 鳥の学校−テーマ別講習会−では、鳥学会員および会員外の専門家を講師として迎え、会員のレベルアップに役立つ講演や実習を行っている。第3回は「自分の研究にDNA分析を導入したいが、どうやって進めていけばよいか分らない」という会員を主な受講対象として、2009年函館大会の翌日9月23日から24日午前にかけて、北海道大学水産学部において行われた。参加者は20名であった。
 1日目は、バナナから抽出した大量のDNAを肉眼で見て全員が感激したあと、鳥の血液サンプルからのDNA抽出、PCRによるDNA増幅と電気泳動までを実習した。2日目は、系統解析や集団構造解析、親子判定などの基本理論やソフトウエアの使い方などを中心に実習した。
 参加者は、「共同研究者にDNA分析をお願いしてきたが、それがどのようなものか実際に初歩から学んでおきたかった」あるいは「これまでも部分的にDNA分析を行ってきたが、体系的に技術と知識を学び直したかった」といった、すでに研究に携わっている中級者が中心であった。
 それら参加者の感想として、「DNA分析の敷居が低くなった」「解析用ソフトの使い方も教えてもらってありがたかった」「実習成果をもとに、DNA分析をさらに自分の研究に役立てたい」等の声があり、参加者がこれまでやや距離を置いていたDNA分析を新しい自分の研究手段として使い始める契機になったと考えられる。
 (講師)長谷川理・泉洋江・東典子・杉本太郎
 鳥の学校−テーマ別講習会−は、今後も大会に接続した日程で、さまざまなテーマで開催する予定である。案内は、学会ホームページや学会誌に掲載する。

(企画委員会)