和文誌編集委員会報告

I.日時:2006年 9月15日 15時~18時

II.場所:岩手大学 農学部1-小会議室

III.出席者: 岡 奈理子(委員長)、濱尾章二(副委員長)、藤田 剛(副委員長)、
  高木昌興、佐原雄二、植田睦之、新妻靖章、山口典之
  (欠席者:市橋秀樹、綿貫 豊)

IV.報告と協議事項

  1. 日本鳥学会誌の電子アーカイブ化
     日本鳥学会誌の全バックナンバー(1915年第1巻―2005年第54巻)を電子化するため、昨年から電子アーカイブ事業を実施する(独)科学技術振興機構(JST)に今春、応募した。黒川清日本学術会議会長を選考委員長とする選考委員会で、今年の応募誌約600余件のなかから、日本鳥学会誌が65誌の一つに選定されたことを報告した。これによって、創刊以来90年分約14,000頁の電子化を進める道を開き、鳥学的な研究蓄積が一般に、より還元されやすくなることを報告した。それとともに、類似の学会協の電子公開状況を調査し、電子アーカイブの一般公開方針を固めた。
    この結果を、評議員会に審議事項として提出した。その結果、3年以前に遡って刊行されたバックナンバーのすべてを、同機構の運営する電子図書館Journal@rchiveで一般にも無料公開し、最新2年間に刊行された号については、論文要旨などを除き、会員だけが読める認証制として搭載することを決めた。
    これに関連して、HPの和文誌サイトで、和文誌電子公開に関するアンケートを昨年11月から今年8月にかけて実施し、 35件の回答 を得たことも報告した。
  2. J-Stage搭載
     上記1に関連し来年度(2007年度)から(独)科学技術振興機構(JST)が運営する電子図書館J-stageに自力搭載する方針を話し合い、この予算化を評議員会に審議事項として提出した。
     その結果、学会が刊行してきた全バックナンバーの電子化が実現でき、電子図書館J-stageに搭載、公開できることとなった。
  3. 日本鳥学会誌編集状況の報告
     刊行の遅延の原因となる毎9月の定例年次大会の報告を、従来の2号から、翌年1号に収録する方針で、現在、編集調整を行っている。2006年岩手大会事務局から提出される大会報告は2007年1号に収録する。
     第55巻1号 を2006年6月に発行し、原著2、短報1、技術報告1、観察記録1を収録した。次号は12月に発行する予定で、8月初旬時点で、6論文(原著1、短報2、観察記録3)を受理、13論文(総説1、原著7、短報3、観察記録2)を審査中であることを報告した。
  4. 電子投稿システムの稼働状況
    2006年1月から 電子投稿・査読システム を稼動させた。1月―7月間に投稿された19論文中15論文の投稿者が、このシステムを利用した。会員にも電子投稿が急速に認知され、利便性、迅速性を達成しつつある。目下、投稿数も増加している。査読や書き直し原稿の再投稿に要する手間や経費も、大幅に軽減されている(7ヶ月で査読者、著者との往復にかかわる延べ64件、約2万円を節約)。件数の詳細は以下の通り:
     電子投稿による投稿:15編(全投稿19編のうち)
     投稿にともなう電子ファイルの転送:29件
     査読にともなう電子ファイルの転送:35件
  5. 別刷贈呈数増加要望への対応
     第1著者が学生の場合、無料贈呈別刷数を増やしてほしいとの会員からの要望に対して、著者へPDFも無償配布しており、これで代替できるので、増やさないことを決め報告した。
  6. 重複投稿問題
     第55巻1号で発生した重複投稿問題の発生の経緯の説明を受けて、この問題への対応の仕方と、再発防止のためのガイドラインを論議した。その結果、掲載された論文を第55巻2号で 抹消公告 し投稿時の注意の呼びかけを行うことと、著者へ抹消通知を書面で出すことを決めた。
  7. 投稿の手引き改訂
      投稿の手引き を改訂し、第55巻2号に収録することを決めた。
  8. 大会シンポの特集号の組み方の問題点
     シンポと学会誌双方の質を高めるために始まったシンポ特集号で、書き手と話し手の乖離が起こっている。今後、シンポ企画を立てる段階で、企画委員会と和文誌編集委員会が連携を密にする方針を確認した。

〔和文誌編集委員長〕