干潟の鳥−特にシギ・チドリ類について−

          花輪伸一(WWF Japan)

 この自由集会では,各コメンテイターにより,以下の話題を予定している.

1.日米ハマシギ共同調査・・・・・・茂田良光(山階鳥研)
 日米渡り鳥保護条約にもとづき,ハマシギの渡りに関する共同調査と環境教育活動が計画されている.アメリカ側は US Fish & Wildlif Service,日本側は環境庁が主催者となり,山階鳥類研究所,WWF,日本湿地ネットワーク,日本野鳥の会などが協力する.1999年8月には,アラスカ州北斜面地方のコルビィル川河口付近で,繁殖後のハマシギ群を捕獲し,フラッグ(プラスチック等でできたカラーの標識で,ふしょ・すねに装着する.フラッグの色で国,地域を区別する)を着けて放鳥する.この共同調査の結果について報告する.

2.シギ・チドリ類のフラッグ情報・・・・・・柏木実(日本湿地ネットワーク)
 オーストラリア,ニュージーランド,日本では,シギ・チドリ類の標識調査の際に,金属リング(ナンバーリング)とともに,国・地域別に決められた色,組み合わせのフラッグを装着することが,かなり行われるようになった.韓国,台湾でも開始され,いくつかの東アジアの国々も近い将来に計画している.フラッグは,金属リングより明らかに目立つので,双眼鏡・望遠鏡での発見が容易である.日本国内では,フラッグについての広報活動が進み,寄せられる観察記録や情報も増加している.フラッグによる調査,データの収集,まとめなどについて報告する.

3.シギ・チドリ類湿地ネットワーク・・・・・・東梅貞義(WWF Japan)
 ラムサール条約に関連して「アジア太平洋地域渡り性水鳥保全戦略」(国際湿地保全連合)が立てられている.そのなかで,シギ・チドリ類に関しては,「シギ・チドリ類湿地ネットワーク」の推進を通して,調査研究,普及教育,保全活動を進めることになっている.現在,オーストラリア,ニュージーランド,PNG,フィリッピン,中国,韓国,日本,ロシアがネットワークを作り,25か所のシギ・チドリ類渡来地を登録し,いろいろな活動を行っている.ネットワークの最新の情報,活動について報告する.

4.その他のインフォメーション
 藤前干潟・諫早干潟のその後,東京湾三番瀬の埋立問題,日本産シギ・チドリ類渡来地目録の進行状況,シギ・チドリ全国カウント(日本湿地ネットワーク)のまとめ状況など,シギ・チドリ類およびその生息地に関する情報,コメントなど.