B-1-9 ヤンバルクイナの生息数の推定

尾崎清明(山階鳥研)・馬場孝雄(山階鳥研)・米田重玄(山階鳥研)・
金城道男(沖縄フィールドワーク)・渡久地豊(沖縄フィールドワーク)・
原戸鉄二郎(安慶田中学校)

 ヤンバルクイナの生息域の面積が、15年の間に約25%減少したことと、その主な原因がマングースなどの捕食によることは、すでに昨年報告した。ここでは、その分布調査などで得られたデータから、生息数の推定を行った。 
 調査には音声再生装置によって本種の鳴き声を再生し、その反応を確認するプレイバック法を用いた。その際、鳴き声の届く範囲や反応する個体の位置関係などを、現場での実験で確認した。さらに、年間を通じた定点調査によって、季節変動や鳴き声に対する反応率を調べた。これらの資料から、ヤンバルクイナの生息数を算出した。

 プレイバック法で得られた結果により推定生息域における生息密度を推定し、これを定点調査によって得られたプレイバック法への反応率によって補正すると、推定生息密度は2.82番/k