第4回 東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク支援鳥学グループ(JOGA)自由
集会
水田農業とガンカモ類 〜「対立から共生へ」その鳥学的戦略 〜
企画者 呉地正行(企画代表者)・吉田保志子・須川恒・宮林泰彦
ラムサール条約第7回締約国会議(コスタリカ,1999)期間中に発足した東アジア地
域ガンカモ類重要生息地ネットワークの国内活動を鳥学的に支援する目的で行われる
第4回目の自由集会である.日本国内15ヶ所のネットワーク参加サイトの活動が積極
的に押し進められるために,ガンカモ類の現状やその生態の魅力について,研究者が
連帯して体系的に明らかにする作業を行っている.
全体の趣旨と今回までの発表要旨は,ガンカモ類重要生息地ネットワークのホーム
ページhttp://www.jawgp.org/anet/jgprop.htmのJOGA のページに掲載してあるので
ご覧頂きたい.これまでに,ガンカモ類の個体数(第1回),資源利用(第2回),越
冬地における羽衣と社会行動(第3回)をテーマにし,今回はガンカモ類の生息環境
としての水田に注目する.ガンカモ類は水田を主要な採食環境として利用するが,そ
れゆえに農業者からは害鳥視されることが少なくない.ここでは水田環境の変遷を農
業生態学の視点でレビューした後に,ガンカモ類の生息環境の改善をめざす水田管理
とガンカモ類の利用法についての事例紹介を行う.最後にこれらを踏まえ,水鳥の多
様性が高い水田や湖沼を環境資源として活用し,水鳥と水田農業の共生をめざす地域
作りへと発展させるための戦略を鳥学的視点から紹介する.
1.企画趣旨の説明
2.報告(事例報告のタイトルと基調報告の要旨)
基調報告1 「ガンカモ類の生息環境としての水田とその変遷」
吉田保志子(中央農業総合研究センター・鳥獣害研究室)
日本の水田環境は、第二次世界大戦以降、農薬、機械化、圃場整備などで大きく変
わってきた。これらの変化が水田の生物に大きな影響を与えていることは間違いない
が、変化のどの部分がどのように問題なのか、わかっていないことは非常に多い。圃
場整備だけをみても、区画の大形化、水路整備など、生物にとって意味の異なる様々
な改変を含んでいる。ガンカモ類の重要な採餌場所となっている世界各地の水田と比
較しながら、水田環境の変化とガンカモ類をはじめとする水鳥類への影響を考えてみ
たい。
事例報告1 ガン・ハクチョウ類の冬期湛水水田と乾田での利用法と行動の比較
宮城県 )
岩渕 成紀 ( 田尻高等学校 )
事例報告2 テレメトリーを用いたカモ類の夜間の水田利用調査(石川県・片野鴨
池 )
○山本浩伸(鴨池観察館友の会)・大畑孝二(日本野鳥の会サンク室)
基調報告2 ガンカモ類の生息環境である水田と湖沼を活かした地域振興(宮城県
・蕪栗沼 )
村上 悟 ( NPO法人 アサザ基金)
3.質疑・今後の課題の整理
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