特別講演会

 

「わが国の野生鳥類保全に関する問題点」

 

講師:山階鳥類研究所所長(元日本鳥学会会長) 山岸哲氏

日時:9月18日(月・祝)13:30〜15:30

場所:岩手県立博物館 講堂

受講料:無料(先着順140名)

申込期間:8月21日(月)8:30〜9月8日(金)17:00

 

方法:往復はがき、FAX、電子メールのいずれかで、1:住所 2:氏名 3:電話番号 4:往復はがき以外の方はFAX番号または電子メールアドレスのいずれか 5:参加希望人数 を記入して下記へ申し込んで下さい。先着順に受け付けます。

申込先:〒020-0102 岩手県盛岡市上田字松屋敷34

岩手県立博物館「岩手の鳥っこ特別講演会」係

FAX::019-665-1214

電子メール:torikko@iwapmus.jp

 

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講師プロフィール

 

1939年長野県生まれ。61年信州大学教育学部卒。大阪市立大学理学部教授、京都大学大学院理学研究科教授などを経て、2002年から山階鳥類研究所所長。2005年から東京農業大学客員教授。理学博士(京大)。専門は鳥類学・動物生態学。元日本鳥学会会長。現在、応用生態工学会会長。河川生態学術研究会委員長。河川環境目標検討委員会委員長。『マダガスカル自然紀行』『オシドリは浮気をしないのか』(中央公論新社)、『これからの鳥類学』(裳華房)、『鳥類学辞典』(昭和堂)、『けさの鳥』(朝日新聞)など鳥類に関する著書・編著多数。


講演要旨

 

わが国の野生鳥類保全に関する問題点

講演要旨

 

山岸 哲(山階鳥類研究所所長;元日本鳥学会会長)

 

 種の平均寿命は、化石の記録から計算すると、約200万年程度と推定されており、鳥類では200年に1種ぐらいが絶滅してきたものとみられている。ところが、人間が出現してからは、この状況は一変してしまった。1600年以降の世界の絶滅鳥類の記録を調べてみると、この400年間で私たちは128種の鳥類を失っている。これは先に述べた地史的なスケールで自然界で生じていた絶滅の約60倍の速度で鳥類の絶滅が進行していることを意味している。

 絶滅した218種すべての直接的な絶滅原因を特定できているわけではないが、特定できたものでは、人間が持ち込んだ移入種が原因と思われるもの39%、人間による生息地の破壊が原因と思われるもの36%、人間の狩猟によるものが23%であり、ほとんどすべてが人間活動によって絶滅に追い込まれている。2000年の国際自然保護連合のレッドデータブックから計算すると、今後この傾向はさらに加速され、わずか100年後の2100年には、絶滅の心配のある種類は450種を越えると予想されている(BirdLife International 2000、バードライフ・アジア編  2003)。こうした状況の中で、わが国における野生鳥類の保全に関する問題点を最近の出来事を例にとり問題提起してみたい。