2007-6-5

感染症対策について

鳥の学校開催責任者 川上和人

 

 一般に野鳥は様々な感染症を保有している可能性があり、中には人獣共通感染症として人間に感染しうるものも知られています。それらのうち、近年では特に高病原性鳥インフルエンザの人間への感染が懸念されています。環境省の調査によると、これまでのところ国内の野鳥がこの感染症を保有している事例はごく稀と考えられていますし、野鳥から人間への感染例は皆無です。加えて、野鳥由来感染症は、ほとんどの場合、手洗い・うがい等の一般的な衛生対策や検体への直接接触を避けることで感染の危険を減らせると考えられています。

 しかし、本講習会では、検体を使用する性格上、感染症対策に万全を期す必要があります。このため今回は、感染リスクをさらに低減させるべく、下記の対策を取ることとします。

 

・実習には、高病原性鳥インフルエンザの感染例がない都道府県のもの、または2003年以前(国内での初認以前)に採集された検体のみを使用する。

・実習前にすべての検体を一度冷凍処理する。

・参加者には、標本作製時、マスク・手袋・白衣等の着用を求める。また、検体への直接の接触を禁止する。

・参加者には、講習会終了後に「石鹸による手洗い」と「うがい」の励行を義務づける。

・参加者には、実習で着用した衣服を他の荷物と分けて持ち運び、洗剤による洗浄と乾燥を行うよう求める。