あとがき
鳥インフルエンザ問題検討委員会
委員長 中村浩志
樋口広芳会長から、鳥インフルエンザ問題検討委員会を立ち上げたいと最初にお聞きした時には、大変躊躇しました。私の専門外であり、鳥インフルエンザ等の感染症についての知識は、ほとんど持ち合わせていなかったからです。しかし、検討委員には、感染症関係の方にも多く加わっていただき、約2ヶ月にわたるメールでの熱心な意見交換を通し、ここに検討結果をまとめ、日本鳥学会のホームページに公開することができました。お忙しい中、ご協力いただきました検討委員の皆様に厚くお礼申し上げます。
この間のまとめ作業を通し、私自身、鳥インフルエンザ問題や感染症に関する豊富な知識を得ることができました。これらの知識を本会会員の方をはじめ鳥関係者の方々、さらには一般の方々にも広く知っていいただくことを願って、今回の検討結果を学会として公開してゆくことになりました。これらの知識を多くの方が持っていたならば、この冬の鳥インフルエンザ問題で日本中が大騒ぎとなることは起きなかったと思います。今回の高病原性インフルエンザ問題は、これからも私たちのまわりで起こる可能性が十分ある問題です。その時に備え、知識の普及と研究協力体制の確立が進み、今回のように野鳥が敵視されたり、飼い鳥が捨てられるといったことが二度と起きないことを願ってやみません。
平成16年5月5日