鳥学通信 no. 29 (2010.8.2発行)

 

学会ホーム頁に戻る

日本鳥学会・津戸基金シンポジウム報告

「オオヒシクイと人の共存を目指して」

-日本最大のオオヒシクイ越冬地における現状と課題の整理
新潟大学大学院 布野隆之

企画趣旨

オオヒシクイは、冬鳥として日本に飛来する大型ガン類です。本種は1947年に狩猟鳥獣に指定されて以来、狩猟圧および農法の発達に伴う生息環境の変化によって、減少の一途をたどってきました。しかしながら、1971年に本種の狩猟は禁止され、さらに、国の天然記念物に指定されたことにより、保護鳥獣として取り扱われるようになりました。また、環境省のレッドデータブックでは準絶滅危惧(NT)に分類され、本種を保全する必要性が明確にされました。現在、日本には約7000羽のオオヒシクイが越冬のため飛来し、そのうち約5000羽が新潟県の福島潟に集中する傾向にあります。この値は、日本で越冬する総個体数の約70%に相当しており、日本におけるオオヒシクイ越冬個体群を保全する上で、福島潟が極めて重要な地域であることを明確に示しています。

福島潟は、1966年に国指定福島潟鳥獣保護区(面積163ha)となり、現在では、オオヒシクイをはじめ220種以上の鳥類が利用する種多様性の高い保護区となっています。福島潟で越冬するオオヒシクイは、潟内を夜間のねぐらとして利用し、日中は潟周辺の水田地帯で採餌を行います。このため、オオヒシクイの越冬個体群を保全するためには、福島潟と潟周辺の水田地帯を一体とした保護区を設置することが望まれます。しかしながら、現在、福島潟周辺の水田地帯では大規模な圃場整備や環状道路建設が計画・進行しており、それらの土地改変がオオヒシクイの越冬活動に与える影響が危惧されます。

そこで本シンポジウムは、日本最大のオオヒシクイ越冬地である福島潟において、オオヒシクイと人が共存できる環境づくりをテーマに開催しました。今回のシンポジウムでは、福島潟で越冬するオオヒシクイのおかれた現状と課題を整理し、さらに、日本各地におけるガン類の保全に向けた取り組みを参考に、今後取り組むべき対策について議論しました。

シンポジウムは2010年3月28日(日)の15時から18時に水の駅「ビュー福島潟」で開催され、参加者は73名でした。また、シンポジウム後に催された懇親会には28名が参加され、活発な意見交換がなされました。

当日の様子

はじめに、日本雁を保護する会の呉地正行さんにオオヒシクイの一般的な生態をご紹介して頂くとともに、オオヒシクイを保全する上で大切なポイントを丁寧にご講演頂きました。具体的には、オオヒシクイが「沼の鳥」であることと、沼の鳥であることを踏まえ、福島潟が主要な餌場(コアエリア)となり、潟周辺の水田帯が補足的な餌場(バッファエリア)となることがオオヒシクイ生息地として最も望ましいことを解説して頂きました(写真1)。次に、新潟大学の布野隆之によって、オオヒシクイの採餌水田が福島潟周辺にわずかしか残っていない上、現在実施中の圃場整備事業によりさらに減少することが報告されました(写真2)。福島潟周辺は広大な水田帯となっているにも拘わらず、オオヒシクイの採餌水田がほとんど残っていないといった現状は、演者を含めた参加者の誰もが想定していなかったため、公演後に実施したアンケートにおいては、今後、福島潟においてオオヒシクイが生息し続けられるかどうかを危惧する意見が寄せられました。また、宮島沼水鳥・湿地センターの牛山克巳さんの講演(写真3)により、採食水田および塒の改変が、オオヒシクイなどのガン類の環境利用パターンに影響を及ぼし、場合によってはガン類の減少や消失に結びつくことが報告されたことを受け、今後も福島潟が「日本最大のオオヒシクイの越冬地」であり続けるためには、早急に、福島潟と潟周辺の水田地帯の保全対策が必要であることが参加者に強く印象づけられました。そして、最後の講演では、ラムサールセンターの中村玲子さんによって、子供達の目線が「地域の宝」を発見する上でとても優れていることをご紹介頂き、子供達と様々なステークホルダーと連帯した湿地環境教育活動が、地域住民に「オオヒシクイ=地域の宝」として温かく理解してもらえる可能性を秘めていることをご紹介頂きました(写真4)。この部分については、パネルディスカッションでも取り上げられ、今後は「KODOMOバイオダイバシティ」などの子供達の活動に福島潟周辺の様々なステークホルダーを巻き込み、住民の心を動かすことが大切となることが議論されました(写真5)。
福島潟と潟周辺の水田地帯の保全対策を円滑に進めていくためには、地域住民の「意識」がとても影響してきます。現在と次世代の地域住民が共に「オオヒシクイ=地域の宝」として意識した時、それがオオヒシクイ保全の大きな一歩となるのかもしれません。

発表要旨

オオヒシクイの生息地としての福島潟とその周辺水田の持つ意味

呉地 正行 (日本雁を保護する会)

1. オオヒシクイは沼の鳥;沼(潟)で休み(ねぐら)、沼(潟)で食べる;典型的なMarsh bottom feeder。
2. オオヒシクイにとって、福島潟はねぐらとともに、そのマコモ(やヒシ植生)はオオヒシクイの伝統的食物で、マコモ帯は本来の採食地;他のガン類とは習性が異なる。
3. オオヒシクイの越冬地の分布が日本海側に偏っているのも、日本海側の冬の気候が湿潤であることと関係する可能性がある。
4. 太平洋側の宮城県ではヒシクイとオオヒシクイの両亜種が越冬するが、オオヒシクイは沼沢地を採食地に選択的に利用している。
5. 湖沼の移行帯(エコトーン;マコモ帯)の劣化、減少、消失への適応として、水田を採食地として利用することが多くなった;伝統的な採食環境が十分残されている地域では、湖沼内で終日採食し、それが失われた(劣化した)ところでは、水田への依存度が増してゆく傾向が強い。
6. 代替採食環境としての水田の重要性とその課題
6-1) 水田の形質と形状によりその機能は大きく異なる。湿地特性の高い水田、冬期間耕起されていない水田、分断されていないまとまりのある水田は採食地としての利用価値が高い。
6-2) 圃場整備により暗渠排水工事を伴う乾田化工事が行われ、冬期間乾燥した(しやすい)水田は特に湿地を好むオオヒシクイには利用困難または利用価値が低い採食環境となるが、冬期間暗渠排水の水抜き栓を閉めることにより湿地機能の改善と暗渠排水の寿命をのばすことが可能。
6-3) 採食水田の舗装道路等による分断は、どのガン類に対しても大きな影響を与える。その例として仙台市福田町(国道4号線と舗装農道による分断)と伊豆沼(高規格道路による分断)の例が挙げられる。
7. コアとしての福島潟と緩衝帯としての周辺水田の一体化した湿地システムの保全が不可欠。特に周辺水田の緩衝帯としての機能を認識し、その湿地機能を高めることが重要。福島潟自体については移行帯(マコモ帯)の回復、エコアップを図ることが不可欠。
8. ラムサール条約とラムサール水田決議を活用した、福島潟と周辺水田を活かした地域づくりの検討(先行事例として、蕪栗沼周辺での取り組みがある)。

福島潟におけるオオヒシクイの現状

布野 隆之 (新潟大学大学院)

現在、日本には約7000羽のオオヒシクイが越冬のため飛来しており、そのうち、約5000羽が新潟県の福島潟に集中している。この値は日本で越冬するオオヒシクイ総個体数の約70%に相当することから、福島潟は「日本最大のオオヒシクイの越冬地」と言っても過言ではない。

福島潟が今後も「日本最大のオオヒシクイの越冬地」であり続けるためには、福島潟と潟周辺の水田地帯を一体とした保護区とすることが望ましい。しかしながら、オオヒシクイが福島潟周辺の「どの水田」を主に利用し、その水田には「どのような特徴」があるのか、さらに、今現在、オオヒシクイが採餌可能な水田が潟周辺に「どのくらい」残っているのかといった基礎的な情報はほとんど明らかになっていない。そこで、本研究では、これまで福島潟周辺の水田地帯において実施したオオヒシクイ調査のデータを分析し、上述の情報について明らかにした。

本講演では、オオヒシクイが福島潟周辺の一部の水田を集中的に利用する傾向にあること、また、それらの採餌水田は、田面サイズが小さく、水はけが悪い(水持ちが良い)といった特徴があること、さらに、これらの特徴を備えた水田は、福島潟周辺にわずかしか残っていない上、現在実施中の圃場整備事業によりさらに減少することを報告する。これらの現状は、今後も福島潟が「日本最大のオオヒシクイの越冬地」であり続けるためには、潟周辺の水田地帯の保全対策を早急に打ち出す必要性があることを明確に示している。

宮島沼周辺におけるガン類の生息環境の改変とその影響

牛山 克巳 (宮島沼水鳥・湿地センター)

宮島沼(北海道・美唄市)は、ラムサール条約に登録されているガンカモ類の重要な渡りの中継地であり、春の渡来期にはマガンが最大7万羽、ハクチョウ4~5千羽、オオヒシクイも3~4百羽程度が飛来する。これらガンカモ類の生息には、湖沼等の水環境、また、主に採食地として周辺の農地環境が必要であるが、これらの環境は人間活動の直接的・間接的な影響を受けやすく、環境改変がガンカモ類の行動や分布にどのような影響を及ぼすかを理解することが保全上重要である。
 宮島沼をねぐらとするマガンは、周辺の田んぼで落モミを主に採食するが、落モミが少なくなると成長途中の小麦の葉身を食害する。そこで、食害対策の観点からこれまで周辺採食地におけるマガンの分布予測等に関する研究が進められてきた。一方、近年は農業活動の一環として稲わらの秋処理が徹底されるようになり、宮島沼周辺の落モミが早々に枯渇するようになったことでマガンが周辺湖沼へ分散するなど、当初想定していなかった変化が引き起こされている可能性もある。このように、ある生息地における環境改変の影響は、周辺の生息地との位置関係や相対的な価値によっても変化する可能性がある。
 石狩低地帯を北上するマガンやオオヒシクイにとって重要な生息地に長都沼(千歳市、長沼町)がある。長都沼は正式には「ネシコシ排水路」と称される農業排水路であり、千歳川の治水事業に伴ない水面が大幅に縮小することが問題視されていた。そこで、長都沼の環境改変が、石狩低地帯を渡るマガンにどのような影響があるのかを予測するため、広域的な分布調査に基づく分布予測を試みた。こうした渡り経路にまたがる広域的な研究と、上記に示したような生息地レベルの研究をリンクすることが今後の課題である。
 このようにして環境改変の影響を理解することはもちろん重要であるが、ガンカモ類の場合、環境改変をもたらすものは多くの場合人間活動であることから、生息環境の保全に向けて地域住民と利害関係者の理解、協力、参加を得ることがそれ以上に重要である。近年は農業等においても環境保全が重要視されるようになっており、そうした流れを上手に活用しながらCEPA活動を展開し、地域の「宝」が次世代に受け継がれるようにしたい。

水鳥の生息環境を守るための取り組みと課題-とくにCEPAの観点から-

中村 玲子 (ラムサールセンター)

ラムサールセンターは、2002年度からとくに、地球環境の未来を担う子どもたちへの湿地環境教育に力をいれ、「日本・中国・韓国子ども湿地交流」や、「KODOMOラムサール」活動をすすめてきた。さらに昨年からは、2010年10月に名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(CBD_COP10)に向けて、湿地と生きものを考える「KODOMOバイオダイバシティ」活動をおこなっている。

これら次世代を対象にした普及開発活動の目的のひとつは、子どもたちに湿地の保全と賢明な利用を実現するためには国際協力が不可決であることを理解してもらうことにある。この目的を達成するのに、国境を越えてわたる水鳥の存在が非常に大きな役割を果たす。

「水鳥」をフラッグシップに立てて歩んできたラムサール条約だが、最近は地球の水環境をめぐるますます厳しい状況を反映して、守備範囲が広くなってきた。しかし、ラムサール条約の効果的な履行とCEPAの推進のために、いまも「水鳥」は欠かせない存在だ。ラムサール条約だけでなく、CBDの効果的な履行とCEPAの推進のために、オオヒシクイがどのような役割を果たせるかを考えたい。


受付日2010.7.22
topに戻る



瀬戸内海の生物多様性保全のためのシンポジウム報告

森林総合研究所 四国支所 佐藤重穂

はじめに

日本鳥学会は2008年9月に開催された大会で、山口県上関町において建設が計画されている上関原子力発電所について、希少鳥類保護に関する要望書を総会決議として採択しました。これは、建設計画に関する環境アセスメントの終了後に、新たに建設予定地周辺で国指定天然記念物であるカンムリウミスズメやカラスバトの生息が確認されたことを受けて、適正な調査に基づく環境影響評価を求めたものです。

実は日本鳥学会の要望書を提出するより以前に、上関原発計画に対しては、日本生態学会と日本ベントス学会もそれぞれ、環境影響評価が不十分であることを指摘し、行政に慎重な対応を求める要望書を提出してきました。ところが、これらの要望内容が充分に受け入れられず、2008年10月に山口県は事業者に対して建設計画にかかる海面の埋め立ての許可を出しました。

こうした事態を受けて、各学会の担当者が、建設予定地の周辺の生態系が貴重なものであることと学会が慎重な環境アセスメントを求める要望書を提出していることを一般市民に知ってもらうために、協力して取り組むことを企画して、日本生態学会自然保護専門委員会、日本ベントス学会自然環境保全委員会、日本鳥学会鳥類保護委員会の三者による合同でシンポジウムを開催することになりました。

シンポジウムは広く一般市民に参加してもらうことを目的に、ほぼ同じ内容で開催場所を変えて、第1回が1月10日に広島市で、第2回が3月14日に東京で、第3回が5月1日に山口県光市で、第4回が7月25日に京都市で、これまで開催されました。

以下、シンポジウムの内容を簡単に紹介します。

瀬戸内海の原風景が残る周防灘

京都大学の加藤真さんから、瀬戸内海西部の山口県、福岡県、大分県、愛媛県に囲まれた周防灘の自然の豊かさについて紹介されました。

瀬戸内海は、本来、たいへん豊かな生物相と高い生物生産力に恵まれた海です。そして、この沿岸にすむ人々は、これまで長い歴史を通して、この生きものたちの恩恵を受けてきました。漁業の営みは、多種多様な生物が存在する生態系の豊かさに支えられています。しかし、近年の沿岸開発によって、瀬戸内海の大部分では、生態系の豊かさも漁業の営みもすっかり失われてしまいました。そんな中で、今、多くの生物学者が注目している場所が、周防灘、特に上関の周辺なのです。瀬戸内海の他の場所では見られなくなった多くの生物が、ここにはまだたくさん生き残っているということが、最近、次々と明らかになってきました。軟体動物のナガシマツボ、腕足動物のカサシャミセン、脊索動物のナメクジウオといった小型の生物からクジラの一種であるスナメリのように比較的大きな生物まで、様々な生物が生存していて、その生態系に支えられた漁業もまた健在です。上関はまさに、瀬戸内海の豊かさが残る最後の場所と言えるのです。

シンポジウムでは、上関周辺が閉鎖的な内海であること、原子力発電所が通常の運転によって、火力発電所以上に莫大な熱を海に捨てる事、その過程(冷却水の取水?放水)における水温上昇と付着生物防止剤(殺生物剤)によって、水中の小さな生物(プランクトンや魚の卵?稚仔)が大量に殺される事が、特に重大な問題として強調されました。

上関の希少な鳥類

九州大学の飯田知彦さんから、上関周辺に生息する希少な鳥類について紹介されました。カンムリウミスズメがウミスズメ類としては世界でもっとも南に分布していること、本種が世界で約5,000羽と推定される希少な種であること、2007年に上関の海域でカンムリウミスズメの家族群が確認されて以来、継続して確認されていて、現在知られている本種の唯一の非繁殖期の生息地であることが示されました。また、最近、上関町内の離島でオオミズナギドリの繁殖が確認され、これが内海では初めての記録であることも報告されました。上関の海域に海鳥の豊富に生息している原因として、飯田さんはこの海域の海面水温が1日の中で低温から高温へと変化を繰り返すという特徴を持つことを指摘しました。また、陸上の照葉樹林を象徴する希少種としてカラスバトを紹介しました。

周防灘の希少な魚類

第2回のシンポジウムから、日本魚類学会が合同シンポジウムの後援として加わり、上関の希少な魚類について紹介してきました(第2回:加納光樹さん、第3回:酒井治己さん、第4回:岩田明久さん)。他ではほとんどみられなくなったアオギスが周防灘にメタ個体群を形成していること、エドハゼやチクゼンハゼ、マサゴハゼといった干潟のハゼ類が豊富なこと、ハタタテダイやソラスズメダイなど暖海性の魚類がいることなどを示し、周防灘が海産魚の多様性のホットスポットであることが強調されました。

上関の里山

滋賀県立大学の野間直彦さんは、原発計画地である長島の森林について、これまで現地で調査してきた結果から、昔から薪炭林として里山利用されてきたこと、鎮守の森として残されてきた場所には原生的な森林があることを紹介しました。また、雨が少ない瀬戸内気候ではタブノキの大きな群落が形成されないが、上関は瀬戸内気候の端にあたり、タブノキ林の成立する条件にあり、タブノキ林の分布とカラスバトの生息地がほぼ重なることを示しました。

終わりに

4度にわたる合同シンポジウムには毎回、国会議員も参加し、上関原発の環境アセスメントが不十分であったことを認識してもらっています。これまで、衆参の環境委員会及び衆院本会議で上関原発に関する質疑がシンポジウムに参加した議員によって行われました。学会として、単に行政に要望書を提出するだけでなく、幅の広い働きかけが求められるものと思います。また、単独の学会ではなく、複数の学会で協力して取り組むことにより、より効果的になるものと考えられます。

原子力発電の是非は別として、上関の豊かな生物相の重要性を多くの方々に知ってもらい、その保全の必要性について賛同してもらえればと思います。

fig1
原子力発電所の建設予定地(山口県上関町長島の田ノ浦の海岸)。

受付日2010.7.29
topに戻る

研究室紹介 岩手大学農学部共生環境課程・保全生物学研究室

岩手大学農学部 東淳樹

みどり豊かな岩手大学

岩手大学は、岩手県の県庁所在地である人口約30万人の盛岡市の、盛岡駅からは徒歩25分程度の市街地に位置します。私が所属する農学部と、工学部、人文社会科学部、教育学部の4学部で構成されており、1つのキャンパスにまとまっています。キャンパス内には農学部と教育学部の各附属植物園があり、緑の多いキャンパスは市民の憩いの場となっています。馬や羊などに加え、多くの野鳥やホンドリスが見られます。キャンパスから徒歩5分の位置にある10.5haの高松の池はさらに多くの野鳥の生息地となっています。季節になるとキャンパスの上空をオオハクチョウが編隊を組んで1日に何回も往来するさまは圧巻です。

fig1

写真1:研究室から見た岩手大学のキャンパス(撮影:東 淳樹)

農学部にはキャンパスから車で1時間以内の距離に、2つの演習林と2つの農牧場があり、野外フィールド環境にとても恵まれています。また、農学部は、私が所属する共生環境課程にほかに、獣医、動物科学など5課程で構成されており、野生動物管理学研究室、動物管理学研究室、森林保全生態学研究室など、野生生物を対象とした研究室が多いのも特徴です。

鳥類研究の場としての岩手・盛岡

盛岡市は鳥に関する研究機関や研究者が多く、地方都市の中でも鳥の研究をするには恵まれた場所であるといえます。岩手県立大学には生物関連の国際条約がご専門で鳥の生態の研究をされていた金子与止男教授がおられますし、岩手医科大学には「日本にスズメは何羽いるのか」という研究で時の人となられた三上修博士がこの春、立教大学から来られました。岩手県環境保健研究センターの前田琢博士はイヌワシの生態と保全に関する研究を勢力的にされており、「いわて・イヌワシ・インフォメーション(Ⅲ-net)」という研究グループの事務局をされています。岩手県立博物館には本州に生息するクマゲラの生態と保全に関する研究をされている藤井忠志博士、さらに、盛岡には森林総合研究所東北支所や東北農業研究センターなどの全国組織の研究所が集まっており、鳥や野生動物の研究者が少なくありません。また、盛岡市近郊に東北鳥類研究所を設立された由井正敏・岩手県立大名誉教授や、同じく盛岡市近郊に猛禽類生態研究を設立された元環境省猛禽類保護センター所長の関山房兵氏がおられます。(財)日本野鳥の会盛岡支部をはじめ、岩手イヌワシ研究会、早池峰クマタカ研究会などの野鳥や猛禽類に関する団体も多いことも特徴です。

2006年9月に岩手大学で開催された日本鳥学会や、2009年3月に岩手県立大学で開催された日本生態学会はみなさんのご記憶に新しいのではないでしょうか。岩手には鳥類だけでなく、広く生態学に関する研究者が多く、森林総研主催の「もりゼミ」や、岩手の生態学会員有志で運営している「岩手生態学ネットワーク」などの集まりを通して、研究者やナチュラリスト間の交流も盛んです。

余談ですが、講談社発行の週刊漫画雑誌「モーニング」で連載の野鳥観察エッセイ漫画「とりぱん」の作者の「とりのなん子」さんは岩手県出身で盛岡在住の漫画家です。こうしてみると、岩手・盛岡は鳥に関わる層が厚い土地柄ですね。

自己紹介と研究室の概要

私は長崎市出身の1968年生まれです。弘前大学昆虫学研究室、東京大学緑地学研究室を経て今に至ります。弘前大学ではセイヨウシミの光周性(卒論)、水田におけるカルガモの被害防除(修論)の研究を行ない、東京大学で行なったサシバの生態と保全の研究で学位を取得しました。岩手大学に赴任して10年の歳月が流れました。

私が運営・管理している保全生物学研究室は、教員1名(東 淳樹講師)、修士学生8名、学部学生4名で構成されており(2010年春)、農学部1号館3階にその研究室があります。研究室のメインテーマであるサシバの生態と保全に関する研究については後述するとして、そのほかのテーマは鳥だけではありません。テーマの一例としては、メダカが繁殖できる圃場整備水田の開発、生態系配慮された農業用水路におけるギバチ(ナマズ目ギギ科;絶滅危惧Ⅱ類)の生態への影響評価、トウキョウダルマガエルの食物選択性などの研究に取り組んでいます。

fig2

写真2:研究室のメンバー(撮影日:2009.10.20)

 

研究室での学生の研究テーマは、原則として科研費等の研究助成金、受託研究などの外部資金にかかわる内容で進めています。それ以外に自分自身で取り組んでみたいテーマについては十分に相談し、やり遂げられそうなテーマであれば認めています。大学院生には、研究計画をまとめる能力向上と外部資金獲得のために研究助成への応募を積極的に奨めています。これまで、公益信託「増進会自然環境保全研究活動助成基金」、日本自然保護協会「PNファンド」、河川環境管理財団「河川整備基金」の研究助成をいただきました。

 

 

「Nature Circle けらけら」について

鳥類などの野生動物にあまり馴染みがなかった学生にとっては、その調査や研究は一朝一夕にできるものではありません。目や耳を頼りに何の鳥かを判断し、魚やカエルを上手に捕まえられなければ調査にはなりません。そこで、野生動物の調査に関心があり、将来、当研究室に所属して卒研に取り組みたい学生には、私が顧問を務める「Nature Circle けらけら」という学生サークルに入って活動することを奨めています。このサークルは、研究室で実施している研究に関わる調査に参加してもらうことで、自然とふれあい、野生動物の調査方法の技能を見につけるという主旨で当時の学生たちと2004年に創設しました。当研究室に所属する学生の大半は学部1年の時から研究室に出入りしているので、卒研に取り組むまでに十分な準備期間があることや、お互いの相性もわかるというメリットがあります。ちなみに、初代会長がクマゲラの研究をしていたことがサークル名の由来となっています。

北限のサシバの謎にせまる

当研究室では、2006年からサシバの生態と保全に関する研究を始めました。サシバは本州では夏鳥で、繁殖のために渡来する猛禽類です。日本では秋田県と岩手県が繁殖北限となっています。岩手県は四国4県よりも面積が広いので、十分には生息分布が調べられていませんが、当研究室の調査では、岩手大学のある盛岡を境に、県南には広く分布し、県北には分布しないことがわかりました。本種は、台地や丘陵の谷間に作られた水田(いわゆる谷津田)とその周囲の林がセットとなった里山で繁殖することが知られています。本種の好適繁殖地を評価する一つの指標として、「単位面積あたりの森林と水田が接している境界線の長さ」によってハビタットモデルを作成してみると、実際生息していない県北で生息可能性が高いことが示されました。このことから、県北は土地利用的には本種にとって好ましい環境が広がっているのに本種が生息していないことがわかります。当研究室では、本種の繁殖を制限しているおもな要因が、繁殖期の給餌動物にあると考え、その量や質、得やすさ、給餌状況と繁殖成績との関係などを調べています。本種が恒常的に繁殖している花巻市東和町と、土地利用的には繁殖可能性が高いが、実際には繁殖していない盛岡市玉山区のそれぞれ約10km四方をモニタリングサイトとしました。今年で3年目となりますが、そこでの本種の繁殖状況やヘビ、カエルなどの給餌動物種の発生動態の長期モニタリングを目指しています。また、全国的な状況を把握するため、「オオタカ保護基金(栃木県)」の野中純氏と「希少生物研究会(福岡県)」の伊関文隆氏と共同で調査を実施し、情報交換を行なっています。

fig2

図1:岩手県におけるサシバのハビタットモデル.赤いほど生息可能性が高いことを示すが、県北には生息していない(熊谷徹 2007年度修士論文)

fig2

写真3:育雛中のサシバ(撮影:河端有里子)

 

また、巣の上部に小型CCDカメラを設置し、育雛期間のすべての給餌動物種を記録しています。映像から給餌動物種を同定し、その大きさから重量やエネルギー量を推定することにより、巣立ちまでの必要給餌量を算出することができました。さらに、今年からは、本種の飼育実験により、代謝や給餌動物に対する消化生理を調べています。それから、本学部の溝田智俊教授(鳥学会員)の指導のもとで、安定同位体比解析を用いた里山における本種の食物網解析についての研究を始めたところです。

fig2

写真4:サシバの止まり木として設置した杭(撮影:東 淳樹)

サシバ属は本種のほかに世界に3種が知られています。それらはそれぞれアフリカ、インド、東南アジアなどの南方に生息しており、本種のみが温帯までの大きな渡りをします。日本で繁殖する本種(Butasutur indicus)には大きく2系統あり、九州のほうで繁殖する個体群は、東南アジアで繁殖するチャバネサシバ(B. liventer)と近いことが本学部技術職員(兼博士課程在籍)の長井和哉氏(鳥学会員)との共同研究によって明らかとなってきました。

当研究室での研究は、地域の方々の協力なしでは実現しません。調査地である花巻市東和町では、無償でお借りしている古民家が調査拠点ですし、地区の花見や芸術展などの行事にも参加させてもらっています。また、本種の生息地拡大のための野外実験として、休耕田や転作田に止まり木となる杭を設置させてもらうなど、地域ぐるみで本種の保全活動に取り組んでいます。

サシバはなぜ、わざわざ岩手県まで来て繁殖するのでしょうか?本種の保全には何が必要でしょうか?本種の生態はもちろん、生理、遺伝子、生元素などの専門家との共同研究や地域の方々との協働によって明らかにしていきたいと考えています。

一緒に研究しませんか!

これを読んでくださった生徒や学生のみなさん、あるいは社会人のかたで、学生や院生としてサシバの研究を一緒にしてみたい方は、ぜひ岩手大学農学部、あるいは農学研究科(修士)や連合農学研究科(博士)にお越しください。3年生からの編入学や社会人入学という制度もあります。詳しい案内は、岩手大学のウェブページをご覧ください。また、年に2回のオープンキャンパスには当研究室も出展していますので、興味のあるかたは遊びに来てください。今年度(平成22年度)は、8月6日(金)と10月23日(土)です。もちろん共同研究のご提案もお待ちしています。

所在

〒020-0066 岩手県盛岡市上田3-18-8
 岩手大学農学部 共生環境課程 保全生物学研究室
 農学部1号館310号室
 e-mail :azuma[at]iwate-u.ac.jp
 Phone:019-621-6281

リンク

岩手大学:http://www.iwate-u.ac.jp/
 入試情報:http://www.iwate-u.ac.jp/nyusi/index.html
 農学部:http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/
 研究トピックス:里山の頂点に立つ「サシバ」
 http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/research_topics/2008/003/index.html
 広報紙:身近な生きものの絶滅を食いとめたい
 http://www.iwate-u.ac.jp/koho/sozai/Hi13.pdf
 第1回エコ大学ランキングで、岩手大学が第1位に!
 http://ccc.eco-2000.net/eco-campus
 岩手生態学ネットワーク:http://biology-ee.iwate-med.ac.jp/REPFEM.html


受付日2010.5.5【topに戻る

 


研究室紹介 独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究センター 生物言語研究チーム

 鈴木研太、岡ノ谷一夫

研究室概要

独立行政法人理化学研究所(理研)は、日本で唯一の自然科学の総合研究所として、物理学、工学、化学、生物学、医科学などに及ぶ広い分野の研究を進めています。場所は、埼玉県和光市にあり、東武東上線、東京メトロ有楽町線、副都心線が乗り入れ、池袋、有楽町、新宿、渋谷のどこへでも一本で行ける交通の便のとても良いところです。生物言語研究チームは、脳科学の先端的研究を行う脳科学総合研究センターに所属しています。研究室は、理研内にある広沢池の横に建つ、その名も「池の端研究棟」の中にあります。この池をはじめ、理研内には意外と多くの野鳥が訪れるので、双眼鏡を持ち出せば、気軽にバードウォッチングも楽しめます。

fig2

理研 BSI 池の端研究棟

我々は、言語の生物学的起源を解明するために、鳥類、げっ歯類、人間を対象に研究を進めています。言語は人間に特有なものですが、言語を可能にするための機能の一部は、人間以外の動物にも共有されています。当チームでは、生態学、動物行動学、心理学、言語学、神経科学、情報科学、分子生物学、内分泌学など多くの学問分野を柔軟に取り入れて、分野にとらわれない研究を展開しており、皆がそれぞれ異なる得意分野を持っています。したがって、自然と広い視野を持つことができ、自分の得意なものと、他の分野とを結び付けることによって、新たな概念を生み出すことができると考えています。ひとつの研究室にこれだけいろいろなバックグラウンドを持つ人が集まり、ひとつの目標に向かって研究している研究室はなかなか無いのではないかと思います。この研究室にいると、様々な分野の専門用語も分かるようになってくるし、どの動物(ヒトも含む)の研究についても理解し、そして、説明出来るようになってきます。

スタッフは、2010年4月現在、チームリーダーである岡ノ谷一夫先生と、アシスタント2名、研究員10名、技術員4名、学生4名の21名です。この中の半分以上の12名が鳥の研究に携わっています。また、共同研究として来ている人が他にもいるので、時には30名近くにもなることもあります。実験対象として、鳥類のジュウシマツ、コシジロキンパラ、アミハラ、キンカチョウ、セキセイインコ、げっ歯類のデグー、ラット、マウス、ハダカデバネズミといった、ちょっと変わった動物を扱っています。世話は皆で分担していて、ヒトを対象に研究している研究員も世話をしています。また、月に一度、獣医の検診の機会を設けており、鳥類、げっ歯類の健康管理について学ぶことができます。

チームリーダー紹介

チームリーダーの岡ノ谷先生は、子供のころに「動物に心はあるのだろうか」ということに疑問を持ち、心理学の道に進みました。そして、小鳥のオペラント条件付けの実験に成功し、米国メリーランド大学で、鳥の聴覚研究で学位を取りました。その際に、行動だけでなく、自ら学んで統計モデルと神経回路モデルによる解析も行ってきました。その後、上智大学で神経解剖学を学び、農林省の鳥害研究室で行動生態学を学び、慶應大学で脳の手術手技と研究室運営について学んでこられました。そして千葉大学に自分の研究室を立ち上げ、ジュウシマツの歌が有限状態文法で記述できることを発見しました。そこから、鳥類の歌制御システムが人間の言語の起源を研究するうえで重要なモデルになることを示し、言語の起源にせまる研究を行うために現在の理研に移りました。このように自分の得意分野を生かしつつ、他の興味のある分野を勉強し続け、それらを統合してきた岡ノ谷先生だからこそ、今の研究室が成り立つのだと思います。これだけ大きなことを解明するためには、ひとつの技法にとらわれていたら解明できない。多くの事を受け入れる度量、視野の広さと、それらを上手くまとめ上げる力には驚かされます。

研究紹介

ここでは鳥類の研究として、ジュウシマツの歌文法研究について紹介したいと思います。
ジュウシマツなどの鳴禽類は、ヒナの時期に親の歌を聴いて、それをまねて練習することによって歌をうたえるようになります。このような発声学習のできる動物種は、ヒト、鯨類、コウモリ類、アフリカゾウ、オウム、インコ類、ハチドリ、そして鳴禽類に限られています。なかでもジュウシマツの歌には、音要素のまとまりがあり、このまとまりを繰り返したり、順番を変えたりしてうたっており、この歌に複雑な文法構造があることが明らかとなっています。言語を可能にするために必要な発声学習と文法について研究を行うために、このジュウシマツは最適なモデル動物です。

fig2

ジュウシマツとコシジロキンバラ

ジュウシマツは東南アジアに生息するコシジロキンパラという野鳥が家禽化されたものです。ジュウシマツは複雑な構造をもった文法的な歌をうたいますが、コシジロキンパラは単純で線形な歌しかうたいません。なぜジュウシマツが複雑な歌をうたうことができるようになったのか。それを明らかにする事によって、文法創発のメカニズムを解明できるのではないかと考え、研究を進めています。

我々は、行動実験、繁殖実験、さらに脳内の遺伝子発現解析、ホルモン測定などを行うことにより、なぜジュウシマツの歌が複雑になったのかについて調べています。ジュウシマツとコシジロキンパラの卵を入れ替え、それぞれのヒナがどのような歌を学ぶかを調べた結果、歌の学習には遺伝的な制約があることがわかりました。ジュウシマツは、遺伝的な学習の制約が緩和されているようです。ジュウシマツとコシジロキンパラの歌に対応する遺伝子レベルの違いを解明するために、我々はcDNAマイクロアレイを開発し、現在、網羅的な解析を行っているところです。併せて、台湾でのフィールドワークによりコシジロキンパラの歌の地域差と、その違いを生む要因を明らかにする生態学的研究も進めています。これまで、歌をうたう側のオスの研究が大部分を占めていましたが、メスに複雑な歌と単純な歌を聞かせると、複雑な歌を聞かせたメスほど活発に巣作りをし、エストラジオールレベルも高くなるという結果が得られています。我々は、ジュウシマツの複雑な歌が性選択の結果として生まれたものだと考え、歌に対するメスの行動と繁殖戦略、歌の知覚に対する聴覚領域の役割についても詳細に調べています。

一方で、どのような神経回路の仕組みによって、ジュウシマツの複雑な歌が作られるのかを明らかにするために、解剖学的、電気生理学的な実験を行っています。ジュウシマツの脳内にある神経核の一部を取り除くと、複雑な構造を持った歌がコシジロキンパラのような単純な歌へと変化してしまうことがわかっています。現在、急性電気生理、自由行動下での電気生理、同時多点記録、計算論的分析といった手法により、歌神経系の動作原理を解明しようとしています。また、複雑な歌の生成にはどのようなメカニズムが必要なのかを、神経回路網モデルの構築によって調べるといった研究も行っています。さらに、歌の学習時期に歌神経系で働くタンパク質「カドヘリン」の種類が変化することと、その変化が歌の学習に必須であることが分かり、歌学習に関わる分子メカニズムについても明らかとなってきています。

最後に、ジュウシマツの歌には、音要素のまとまりであるチャンクという単位が存在することを、歌の分析、オペラント条件付けによる知覚の単位を調べる実験、うたっている時にフラッシュを浴びせる実験により明らかにしてきましたが、ヒナが歌を学習する際にも、チャンクの単位で切り出して学んでいることが、複数の親にヒナを育てさせた実験によって明らかとなりました。まとまりの境界を見つけて、区切る「分節化」の能力が、ヒトが言語を獲得する上でも非常に重要です。言語の進化について明らかにするために、我々はこの分節化の仕組みについて現在、研究を進めています。

 

受付日2010.6.24【topに戻る

 


編集後記:今号は、シンポジウム報告と研究室紹介の4本の記事をお届けしました(編集長)。

 鳥学通信は、皆様からの原稿投稿・企画をお待ちしております。鳥学会への意見、調査のおもしろグッズ、研究アイデア等、読みたい連載ネタ、なんでもよろしいですので会員のみなさまの原稿・意見をお待ちしています。原稿・意見の投稿は、編集担当者宛 (ornith_letterslagopus.com) までメールでお願いします。
 鳥学通信は、2月,5月,8月,11月の1日に定期号を発行します。臨時号は、原稿が集まり次第、随時、発行します。


鳥学通信 No.29 (2010年8月2日)
編集・電子出版:日本鳥学会広報委員会
高須夫悟(編集長)・百瀬浩(副編集長)
天野達也・東條一史・時田賢一
Copyright (C) 2005-10 Ornithological Society of Japan

学会トップページに戻る