・公開シンポジウム
鳥類における音声コミュニケーション信号の進化
─ 環境と性による淘汰 ─
10月9日(土)13:00-17:15
東京大学法文2号館2階31番教室(位置地図)
講演:
鳥類のコミュニケーションにおける近い・遠い、大きい・小さい
ユージン・S・モートン(米スミソニアン研究所国立動物園)
鳥類の音声構造における変異と類似:系統・環境・生態学的及び社会的要因を探る
大庭照代(千葉県立中央博物館)
要素配列規制の複雑なジュウシマツの歌:メスの好みと進化
岡ノ谷一夫(千葉大学および科学技術振興事業団)
オスはいつさえずるのがトクか?
:繁殖諸活動の中における効果的なさえずり方
濱尾章二(浦和市立南高等学校)
司会・進行: 樋口広芳(東京大学)・百瀬浩(建設省土木研究所)
※モートンさんの講演は英語で行われますが,OHPなどを使って日本語・図などによる
”随時解説”が岡ノ谷一夫氏によって行われる予定です.
趣旨:音声はコミュニケーションの手段として多様な進化をとげてきた.なかでも鳥類は,大気中に響く音の担い手として古くから人々の興味をひいてきた.20世紀後半に行われた数々の研究は,そのメカニズム・機能・進化について新たな知見を与えた.
このシンポジウムでは,音声コミュニケーションの進化における鳥類に特有な問題を議論する.まずMortonは,鳥類が他の動物群と共有する形質と鳥類独特な形質を明らかにする.次に大庭は鳥類の音声の音響学的構造にみられる変異と類似から系統や環境の制約ならびに生態学的・社会的要因を考える.岡ノ谷はオスの囀りの音声構造がメスの好みによってどのように進化したのかを議論する.最後に,濱尾はオスの繁殖戦略の中で囀り行動がどう進化してきたのかを見当する.これらの議論をとおして,鳥類の音声コミュニケーションのを進化させた究極要因を再考する.
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