日本鳥学会

日本鳥学会の来歴

日本鳥学会(The Ornithological Society of Japan)は、1912年(明治45年)5月3日、東京帝国大学理科大学(現在の東京大学理学部)動物学教室の飯島魁教授の呼びかけで第1回の会合がもたれ、発足しました。その3年後の1915年には会誌「鳥 Tori」(1986年「日本鳥学会誌」に改名)が、そして2002年には英文誌"Ornithological Science"が創刊されました。

2012年には創立100周年を迎え、当初は僅か20人足らずだった会員も、約1200名にまでに成長しました。2024年には更なる鳥学の発展及び学会基盤の確立と将来的発展を確保するため、一般社団法人日本鳥学会を設立しました。日本における鳥類分野で唯一の学会として、今後も様々な活動を繰り広げて参ります。

日本鳥学会の活動

日本鳥学会は、鳥学の発展および鳥類保護への学術的貢献を目的とし、次のような活動を行っています。

♦会誌「日本鳥学会誌」および「Ornithological Science」の発行。原著論文、総説、短報など学術論文のほか、 雑誌、新著紹介、会記などを掲載、「日本鳥学会誌」および「Ornithological Science」各2号、合計年4号を発行。

♦大会の開催。年1回大会を開催して研究成果の発表と討論、交流の場をもうけます。

♦一般向けの講演会を開催し、鳥学研究の成果をわかりやすく伝えます。

♦専門書の編集・発行。学会の学術的成果を示す専門書の編集や発行をしています。
 ・「日本鳥類目録」 改訂第7版(2012年)・改訂第8版(2024年)
 ・「鳥類学用語集」(2006年)
 ・「現代の鳥類学」(1984年、朝倉書店)
 90周年(2002年)事業として
 ・「これからの鳥類学」(2002年、裳華房)
 ・「鳥類学辞典」(2004年、昭和堂)
 100周年(2012年)記念事業として
 ・日本鳥学会誌100周年記念特別号「日本鳥学会100年の歴史」
 ・「鳥学の100年-鳥に魅せられた人々」井田徹治著(日本鳥学会・山階鳥類研究所 協力)
 ・日本鳥類目録(改訂第7版)

♦関連学会や団体と連絡・提携。国内、海外の諸学会・団体と連絡を保ちながら、場合によっては、提携して活動します。

入会について

日本鳥学会の会員になるのには、特別な資格はいりません。鳥に興味をもち、学会の趣旨に賛同されるなら、どなたでも会員になることができます。 現在の会員をみても、専門の研究者に限らず、教織員、学生、鳥類標識調査員、鳥好き、野生生物保護や 自然環境保全に関心をもち活動している方など、老若男女を問わずさまざまな人がいます。日本の鳥学研究を発展させ、鳥類保護をめざすためには、少数の専門研究者の力だけでは不十分で、多くのアマチュア研究者・観察者の手が不可欠です。

 普通会員: 5,000円
 学生会員: 3,000円
 維持会員: 10,000円
 団体会員: 10,000円

入会申し込み手続きについては事務局連絡先・入会案内のページをご覧ください

ご寄付

寄付金は、若手の国際会議参加助成等、基金運営委員会が管理する各種基金諸事業の補助に充てさせていただいています。低金利が続く中、基金の低い利息を寄付が補うことによって事業が支えられています。寄付をいただいた皆様に厚くお礼を申し上げます。また、引き続き会員の皆様のご協力をお願い申し上げます。

■寄付金はこちらまで(詳しくは事務局宛にお問い合わせ下さい)
ゆうちょ銀行
口座番号:00110-0-6599
口座名義:日本鳥学会

一般社団法人日本鳥学会 定款・規則等

任意団体日本鳥学会が制定し、一般社団法人日本鳥学会の設立日(2024年1月4日)の前日まで有効であった規則類は、当分の間、効力を有するものとする。ただし、一般社団法人日本鳥学会の定款の条規に反する定めは無効とする。

定款(PDF)(2024年2月19日更新)
定款施行規則(PDF)(2024年9月7日更新)
各種委員会等の規程類(PDF)(2024年8月21日更新)
謝金・賃金規程(PDF)(2024年4月9日更新)
旅費規程(PDF)(2024年4月9日更新)
科研費補助金運営指針等(PDF)(2024年4月9日更新)

旧規約・規則(PDF)

鳥類学用語集

日本鳥学会用語委員会編
A5版 346頁,日本鳥学会発行

日本鳥学会が用語集を刊行する経緯は、学会設立時の評議員会において鳥類学用語の「標準語選定」を企画したことに始まる。学術用語の刊行は現在ではさほど珍しくはないが、1912(明治45)年にあっては画期的なことであった。そうした歴史をふまえて10年ほど前に学会内に用語委員会が発足し、「鳥類学用語集(1)~(7)」を日本鳥学会誌に発表した。本書は、学会誌の鳥学用語集を基礎としているが、新たに「和英の部」を加え、誤りはできうる限り訂正し、なおかつ全面的に検討・補足してできたものである。したがって、かなり長期的にご利用いただけると確信しています。 (冒頭文より)

【購入のお申込み】

注文・お問い合わせは「事務連絡先」宛てにE-mailまたはFAXにてお願い致します。その際、
・書籍名、冊数、郵便番号、住所、氏名をご連絡ください。
・領収書等の発行が必要な場合は、宛名・日付の詳細をご記入ください。
・入金確認後、書籍を発送いたします。請求書払いはご利用いただけません。

定価 3,000円(会員は2,400円)+送料実費

入金を確認後、鳥類学用語集を発送します。

本書の特色

  • 鳥類学の文献に登場する各種学術用語を集大成
  • 英語の用語とそれに対応する日本語の用語と読み方
  • プロ・アマを問わず研究者にとって専門語の辞書
  • 論文執筆や翻訳にあたってきわめて便利
  • 収録用語は鳥類学のほぼ全分野にわたる
  • 英和・和英とも各6,000語以上を収録

「鳥類学用語集」正誤表(2015.3.13)はこちら PDFファイル
「鳥類学用語集」正誤表(2007.2.27)はこちら PDFファイル

日本鳥学会100周年記念事業

日本鳥学会創立100周年を迎えて

会長 江崎保男(2012年当時)

日本鳥学会が100周年を迎えた。50周年時つまり1962年(昭和37年)に会頭であった黒田長禮(ながみち)によれば、その立ち上げは明治45年5月3日のことであり、東京神田の学士会で夕刻会合をもち、初代会頭の飯島魁(いさお)・黒田長禮・内田清之介らのそうそうたる面々が集まって本学会ができたというのである。そしてその時からさらに50年の歳月が流れた。 いまや日本鳥学会の会員は1000人を超えるにいたった。そして科学としての日本の鳥学は格段の進歩をみせた。むろんこの進歩は本学会を支えてきた多くの会員たちの努力の賜物以外の何物でもない。また、現在では鳥学会の会員のなかに、全国各地で大学教員のポストを占めるものが少なからず認められるようになった。最高学府たる大学において鳥類の研究がさかんに行なわれること、これこそが本学会を創始した上記の人々の悲願ではなかったか、そんな風に思うのである。その一方、鳥類の研究を本職としない、いわゆるアマチュアの人たちの活躍にも目をひくものがある。この人たちの時間を超えた不断の努力があってこそ、本学会の進展があったことも明確な事実であり、これこそが日本鳥学会の誇るべきことではないか、そんな風にも思うのである。

21世紀にはいり、地球環境問題の克服という人類の危機を目の当たりにして、今必要とされているのは、科学的・理性的な戦略的発想にたった環境と社会の目標設定であり、これに向かって邁進することであるが、それを支えるのは人と人のつながり・連携である。この点において日本鳥学会という組織は、その歴史と伝統において、「良いものは、相手が誰であろうと良いと言う」そんな体質をしっかりと身につけていると思う。100周年にあたって、今後とも学会内部はもちろんのこと、国内外で上質な競争が行なわれ、互いを高めあっていく、そのような日本鳥学会であることを切に望むものである。

さて、本記念号はこれまでの100年を振りかえり、今後の学会の発展を真剣に考える、その契機となるよう企画されたものである。執筆者諸氏にはご無理を申しあげたこともあるかと推測するが、数十年後にこの記念号が大きな節目を象徴する1冊として光り輝いていることを期待したい。
(日本鳥学会誌100周年記念特別号巻頭言より)

日本鳥学会は、2012年に100周年を迎え、以下の3つの記念事業を実施しました。

  1. 記念式典・記念講演・記念シンポジウム 9月16日(日)東京大学安田講堂
  2. 記念展示
    1. (1) 日本鳥学会の百年  8月17日~9月21日 東京大学総合研究博物館(本郷本館)
    2. (2) 日本鳥学会100周年記念「鳥類の多様性~日本の鳥類研究の歴史と成果~」 10月6日~12月9日 国立科学博物館(上野本館)
  3. 記念出版
    1. 日本鳥学会誌100周年記念特別号「日本鳥学会100年の歴史」
      (日本鳥学会発行,会員配布.購入は事務連絡先へ)PDF版はこちら。
    2. 日本鳥学会100周年記念「鳥学の100年-鳥に魅せられた人々」
      井田徹治著,平凡社刊 2500円(税抜)
    3. 日本鳥類目録(改訂第7版)
      日本鳥学会発行(2012年9月15日刊行)

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