日本鳥学会

学会賞

日本鳥学会 黒田賞

日本鳥学会は,日本の鳥類学の発展に貢献した黒田長禮・長久両博士の功績を記念して,鳥類学で優れた業績を挙げ,これからの日本の鳥類学を担う本学会の若手・中堅会員を対象に,黒田賞を授与する.

副賞10万円の財源は黒田長禮博士の形見分けとして寄付された黒田基金(および学会基金・小口基金)である.

2019年度受賞者:吉川徹朗(国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター)

基金運営委員会で規定・運営指針に則して研究内容のオリジナリティ,鳥類学における重要性,将来性などについて検討,審査の上,受賞候補者を評議員会に推薦し,上記の通り選定された.

吉川徹朗氏は,生態学的な観点から鳥類と植物の生物間相互作用に着目し,多面的なアプローチを用いて秀でた研究成果をあげている.とりわけ,鳥類の種子散布や花粉媒介といったテーマで,優れた研究を着実に積み重ねてきた.鳥類と植物の関わりは,生態学において古典的なテーマであるが,吉川氏は,従来の理解が十分でないことを指摘し,より包括的な,あるいは進取に富んだ知見を呈する研究に取り組んできた.一連の研究は,鳥類の生態学的位置付けの理解に関し重要な貢献をなしているだけでなく,保全への貴重な示唆をも含んでいる.また,市民データの活用やモデリングなど,多岐にわたる手法をもちいた研究展開は,研究者としての高い資質を示している.さらに,自身の研究内容を体系的に分かりやすく記述した優れた内容の書籍を単著で刊行したことは高く評価される.

今年度の大会において,授与式と受賞記念講演が行なわれる.また,受賞内容は総説として日本鳥学会の学会誌に掲載予定である.


過去の受賞者一覧

日本鳥学会 中村司奨励賞

日本鳥学会は,本学会員のなかで国際誌に優れた論文を発表した若手会員を対象に,2018年度より中村司奨励賞を授与している.本賞は,まだ十分な実績を蓄積していないが将来の鳥学会を担うことが期待される若手会員を,国際誌での発表論文から評価するものである.

副賞5万円は,若手会員の奨励のためとして元会頭・中村司名誉会員から寄付された中村基金から支出される.

2019年度受賞者:太田菜央(マックスプランク鳥類学研究所)

基金運営委員会で規定・運営指針に則して研究内容のオリジナリティ,鳥類学における重要性,将来性などについて検討,審査の上,受賞候補者を評議員会に推薦し,上記の通り選定された.

推薦根拠論文:Nao Ota, Manfred Gahr, and Masayo Soma (2018) Couples showing off: Audience promotes both male and female multimodal courtship display in a songbird. Science advances 4.10: eaat4779.

求愛ディスプレイはつがい相手の獲得に重要な役割を果たす行動であり,多くの研究がなされてきた.しかしながら,さえずりに比べ求愛ダンスについては,その機能,意義は未解明な点が多い.太田菜央氏は,雌雄がともに求愛さえずりと求愛ダンスを行なうルリガシラセイキチョウを用い,雌雄がつがいでいる時よりも第三者に見られている時,特に異性の第三者に見られている時により頻繁にダンスを行なうことを発見した.求愛ディスプレイについて,つがい相手以外の他者の影響に注目した点,さえずりとダンスを同時に行なう複合的行動とさえずりだけの行動を分けて分析した点,同性と異性を分けて扱った点など,ユニークな着眼点からの丁寧な実験設定,分析による研究である.ダンスの進化的意義がつがい外交尾と関連付けて考察されていることも興味深い.今後,多くの行動学的研究に影響を与えることが予想される,インパクトのあるオリジナリティの高い研究ということができ,今後が期待される.


過去の受賞者一覧

  •   2018年度 加藤貴大
      2019年度 太田菜央

日本鳥学会 内田奨学賞

日本鳥学会は,本学会員のなかで優れた鳥学の論文を発表し,奨励が当該個人の研究活動の発展に大いに寄与すると判断される者を対象に,長年,日本鳥学会奨学賞を設けていた.2010年度からは基金名を冠とした内田奨学賞と改名した.

対象となるのは,単一または複数の優れた鳥学の論文を前年もしくは前々年に,国内外の学術誌に発表した者である.ただし,博士の学位をもつ者や博士の学位取得を目指し大学院に在学している者は対象者としない.

受賞者には賞状を授与し,副賞として賞金5万円を贈呈する.なお,副賞の財源は内田清之助元会頭の形見分けとして寄付された内田基金(および小口基金)である.

各年度の募集要項は,日本鳥学会誌各巻2号および学会ホームページで毎年10月に発表する予定である.


過去の受賞者一覧

1999年以前は,日本鳥学会100周年記念特別号「日本鳥学会100年の歴史」120-122ページをご覧下さい.

  •  奨学賞
      2000年度 (該当者無し)
      2001年度 遠藤菜緒子・清水義雄
      2002年度 (該当者無し)
      2003年度 小池重人
      2004年度 小岩井彰
      2005年度 吉田保晴
      2006年度 (該当者無し)
      2007年度 (該当者無し)
      2008年度 堀江玲子
      2009年度 (該当者無し)
     内田奨学賞
      2010年度 (該当者無し)
      2011年度 (該当者無し)
      2012年度 (該当者無し)
      2013年度 渡辺朝一
      2014年度 (該当者無し)
      2015年度 (該当者無し)
      2016年度 (該当者無し)
      2017年度 (該当者無し)
      2018年度 才木道雄
      2019年度 (該当者無し)

助成

津戸基金によるシンポジウム開催の助成

津戸基金によるシンポジウムの公募(2019年度)

津戸基金は,1987年に日本鳥学会会員津戸英守氏が,日本の鳥学発展のために寄付された寄付金の運用のために設立されたもので,鳥学に関するシンポジウムの開催を助成する基金である(詳細は日鳥学会誌36(2/3):128–129を参照).

2019年度の津戸基金によるシンポジウムを以下の通り公募する.

応募条件:シンポジウムの責任者(複数の場合は少なくとも1名)が日本鳥学会員であること.また,2019年8月1日から2020年3月31日までの間に日本国内で開催される鳥学に関したシンポジウムであること.

採択件数:1件

助成額:最大10万円

応募の方法:特定の申請様式はない.次の事項を書いて基金運営委員会(下記送付先)に送付する.①テーマ(タイトル),②主催者(あれば共催,後援等),③応募責任者(氏名,所属,メールアドレス,電話,住所),④会場・日時(予定でも可),⑤趣旨と計画の概要(演者・タイトルなど.暫定でも可),⑥助成希望額(10万円以内)とその理由(必要経費の内訳など).

応募締め切り:2019年5月31日(必着)

審査:基金運営委員会がシンポジウムの内容,条件等について審査を行ない,評議員会に推薦して決定する.結果は2019年6月中に応募者に通知する予定.

報告:シンポジウム終了後に講演要旨,決算報告(領収書を添付),参加者名簿を提出する.

応募用紙送付先:基金運営委員会 委員長 濱尾章二 宛

電子メール送信先:hamao@kahaku.go.jp 受け取りのメールが届かない場合は連絡すること.

郵送先:〒305-0005
    茨城県つくば市天久保4-1-1国立科学博物館動物研究部 濱尾章二
    (郵送の場合、封筒表に日本鳥学会津戸シンポ助成応募書類と朱書すること)


過去の助成一覧

  •   1988年「カッコウと宿主の相互進化」(中村浩志)
      1989年「セキレイ3種の社会構造の比較」(大迫義人)
      1990年「ハシブトガラスの生息環境の違いによる生態の比較」(福田道夫)
      1993年「鳥の学習と文化」(樋口広芳・中村浩志)
      1994年「小笠原における最近の鳥類研究」(上田恵介)
      1994年「ツルの現状と保護・研究への展望」(古賀公也)
      1995年「北海道における希少鳥類研究の現状と鳥類生態学研究」(高木昌興・林英子)
      1997年「アジア・太平洋地域における鳥類進化・生態学とDNA多型利用の可能性」(上田恵介・石田健)
      2007年「世界と日本の水田における鳥類保全の課題」(藤岡正博)
      2009年「オオヒシクイと人の共存を目指して」(布野隆之)
      2017年「チュウヒサミット2017」(近藤義孝)

      ・1998年までは毎年募集。1999~2006年は募集休止。2007年から隔年募集。

伊藤基金による国際鳥類学会議の参加補助

趣旨

4年に一度開催される国際鳥類学会議(IOC)に参加し,発表をおこなう若手会員を支援するため,参加補助を伊藤基金によって行なう.伊藤基金は本会会員伊藤信義の寄付により設立された基金である.助成の時期はIOC開催年の前年4月頃の予定である。


過去の助成者一覧

  1990年 江崎保男、永田尚志、中村雅彦 (開催地:ニュージーランド、クライストチャーチ)
  1994年 濱尾章二、堀田昌伸、成末雅恵、浦野栄一郎 (開催地:オーストリア、ウィーン)
  1998年 山口恭弘 (開催地:南アフリカ、ダーバン)
  2002年 遠藤菜緒子、水田 拓 (開催地:中国、北京)
  2006年 齋藤武馬、染谷さやか (開催地:ドイツ、ハンブルグ)
  2010年 松井 晋、森 さやか、森口紗千子 (開催地:ブラジル、カンポス・ド・ジョルダン)
  2014年 長谷川 克、一方井祐子、石井絢子、風間健太郎、西田有佑 (開催地:日本、東京)
  2018年 青木大輔、澤田 明 (開催地:カナダ、バンクーバー)



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