今回、初めて自由集会というものを企画しました。
砂浜という環境は、その環境自体が少ないこと、波浪や潮の干満、砂の流動等により環境変動が激しいことなどから、研究が盛んではない環境です。実際、鳥も魚もベントスも、砂浜海岸での調査研究例は少ないと思います。修士研究で砂浜のミユビシギの採食生態を調べた時は、文献の少なさに苦労しました。。。
現在、防潮堤建設、海面上昇、砂浜浸食などで、もともと少ない砂浜がさらに失われようとしています。しかし、そんなマイナーな環境でも、シロチドリ、コアジサシといった絶滅危惧種の主な生息環境となっているのに、全然注目されていません。10年以上続いていた環境省のコアジサシ調査もコアジサシの全貌をつかめぬままH23で終了してしまいました。シロチドリについても、激減していることが明らかとなり、現在も減少傾向が続いています。
本当に注目されていないのか、しなくて良いのか、危機的な現状を周知しなくては、ということから、一度、砂浜の自由集会を企画してみようと思いました。
初めての企画、マイナーな砂浜という環境をテーマにして、いったいどれだけ人が集まるのか、話題提供者の中でもビクビク不安に思いながら、準備をしました。学会プログラムが公表されると、なんと同時に8つの自由集会が開催されることを知り、さらに不安になりました。(今回のように自由集会が集中してしまった時には、事務局から、自由集会が少ない別の日に移ってもよい集会があるかどうか呼びかけたりして、可能なら分散させることはできませんか?)
とりあえず、30人来れば上出来だと思っていたのですが、始まってみると、参加者36名。後に聞いた情報では、その他の会場はだいたい20名前後が多かったと聞いています。勝った!と思いました(笑)。
シロチドリ、コアジサシ、防潮堤と砂浜についての話で現状の情報を共有し、問題点や今後の展望なども共有、議論できればという目的でした。参加者がどう思っているか知るために、自由集会時に簡単なアンケートを行ったのですが、その結果を以下に掲載します。22名の方から回答がありました。ありがとうございます。
アンケート結果
Qこの集会を何で知ったか?
鳥学会HP:18人
バードリサーチHP:2人
鳥学会要旨:2人
Q興味があるものは?(複数回答あり)
砂浜:6人
シロチドリ:14人
コアジサシ:15人
防潮堤:1人
その他:6人
(奴賀感想:これまで研究例や話題の多いコアジの方が多いかなと思っていたのですが、シロチも同じくらいでした。防潮堤が予想より少なかった。。。)
Q砂浜のメーリスがあったら入りたいか?
参加希望:18人
参加したくない:0人
参加したいがメーリスが多すぎる:4人
Q感想、意見
シロチドリ、コアジサシの減少具合と、仙台の海岸の現状に驚いた等の感想がありました。他の地域の情報が知りたいとか、ネットワークに入りたい、自分の地域の情報を提供してくれたり、より関心を持ったというような感想がありました。
企画者個人の感想としては、予想以上に参加者が多かったので開催してよかったと思いました。少数かもしれませんが、全国各地に関心のある人もいそうですし、また、他の地域の情報を求めている方が多いような感じがしました。砂浜の保全の問題は、鳥だけでなく、砂浜を利用する様々な方と協力していかなければならず、なかなか大変な事だという共有もできたと思いました。演者の方、参加者の方、ありがとうございました。
次回学会でも、何か違う地域の話、話題で、砂浜の集会があっても良いかなと思いました。砂浜の話をしたい方、一緒に砂浜について考えたい方、調査したい方、シロチドリ、コアジサシについて相談したい方、メーリス(今後作成予定?)に入りたい方は奴賀(nuka*bird-research.jp *を@に変換)までご連絡ください。