澤 祐介(鳥類保護委員長)
日本鳥学会では、学会員の提案に基づき、鳥類の保護や生息環境の保全などに関する意見書・要望書等を提出しています。
日本鳥学会は、苫東厚真風力発電事業(以下、本事業と記載)に対し、風車の建設計画を中止も含めて全面的に再考するよう要望する「(仮称)苫東厚真風力発電事業に対する意見書」(2020年11月1日付、鳥類保護委員長名)、続けて、事業の中止を求めた「(仮称)苫東厚真風力発電事業に対する事業中止要望書」(2021年11月25日付、日本鳥学会長名)を提出してきました。しかし、日本鳥学会だけでなく、日本生態学会や日本野鳥の会など、複数の団体からも同様の要望があったにも関わらず、本事業は現在、環境アセスメントの調査・予測・評価が終了し、準備書の手続きに入る段階にまで進んでいます。
本事業に対し、日本鳥学会が要望書提出時に共同記者発表を行った地元の市民団体「ネイチャー研究会inむかわ」が、タンチョウの営巣地保護を主眼とした事業中止を求める署名活動を開始しました。多くの希少種が生息する貴重な自然環境の保全にむけ、ご賛同頂ける方は、ぜひ署名にご協力ください。
■ 署名方法
※お問い合わせは、書面による署名のpdfに記載のネイチャー研究会in むかわまでお願いします。 |
■ 関連情報
- 苫東厚真風力発電事業は、北海道厚真町の沿岸部に大阪ガス株式会社(本社:大阪)とその系列会社である「Daigasガスアンドパワーソリューション株式会社」が計画する事業です。本事業計画地内および周辺では、タンチョウ、チュウヒをはじめとした希少鳥類が数多く生息すること、ハクチョウ類・ガン類の渡り経路にあたることから、鳥類への甚大な影響が懸念されます。
- これまでの経緯は以下を参照ください。
(仮称)苫東厚真風力発電事業計画への対応をめぐって(上)
(仮称)苫東厚真風力発電事業計画への対応をめぐって(下)