東京農大北海道オホーツクキャンパス 野鳥研究会通信 その3

オホーツク野鳥研究会

日本鳥学会会員のみなさま、こんにちは。オホーツクキャンパス野鳥研究会です。この度の台風14号、網走では大きな影響はなかったようですが、大雨や暴風の被害に遭われた全国の方々には心よりお見舞い申し上げます。
さて、今週も引き続き気軽に訪れることのできる網走周辺の鳥見スポットをご紹介します。11月3日に開催される鳥学会大会公開シンポジウムのテーマは「流氷がくる海~オホーツクの海と生き物たち~」で、オホーツクの海鳥に関する講演も予定されています。そこで本シリーズ三回目となる今回は、海鳥観察に適した鳥見スポットをご案内します。

<網走市周辺鳥見スポット第三弾>
●能取岬
網走市街から約10km北に位置する、網走国定公園内にあるオホーツク海に突き出た岬には,白黒ボーダー模様の八角形の能取岬灯台が立っています。岬の周辺は切り立った海食崖で、崖下の岩礁が連なる荒々しい北の海の光景とは対照的に、崖上は平坦な台地に牧草地が広がり、北海道らしい牧歌的な雰囲気が漂います。東方には遠く知床連山が海に浮かび、眺望も最高です。
崖上に沿って柵が設置されており、その手前から海上や岩礁上にいる海鳥類を観察します。大会時期にあたる秋から冬はシノリガモがとても多く、その中にコケワタガモやホンケワタガモが見られたこともあります。ウミガラス類やウミスズメ類も比較的よく観察され、春・秋にはアビ類の大群が見られることもあります。海鳥観察をしていると、目の前をオジロワシやオオワシ、ハヤブサが通過し、台地上の草原や牧草地では、ハギマシコやツメナガホオジロ、ユキホオジロなどに遭遇することもあります。それ以外にも、ここでは渡り途中に立ち寄った思わぬ鳥に出会えるかもしれません。

<学会時期に観察される主な鳥>
シノリガモ・コオリガモ・アカエリカイツブリ・アビ・オオハム・シロエリオオハム・ハシボソミズナギドリ・ヒメウ・ウミウ・ミツユビカモメ・アカアシミツユビカモメ・カモメ・オオセグロカモメ・ハシブトウミガラス・ケイマフリ・ウミスズメ・ウトウ・オジロワシ・オオワシ・ハヤブサ・ハギマシコ など

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冬の能取岬(野鳥研究会部員撮影)

<能取岬へのアクセス>
市街から道道76号を北上して車で約15分。駐車場(無料)にはトイレがあるが、11月は閉鎖されている可能性が高い。

●網走港(網走川河口、港、親水防波堤ぽぽ260)
オホーツク海に注ぐ、一級河川網走川の河口部に位置する河口港。11月上旬は、港の内外と網走川の河口付近でカモやカモメをはじめとする沢山の海鳥類を観察することができます。とくにシノリガモやホオジロガモ、ヒメウが多く、近距離からの観察が可能です。天候に左右されますが、カモメ類は港内や周辺防波堤上で最も多く観察され、とくにミツユビカモメがたくさんいます。バスターミナル周辺のホテルからは徒歩圏内にある、河口や港に隣接する道の駅あばしり二階の食堂で、オホーツク海や海鳥を見ながら食事するのもお薦めです。
徒歩で行くのは厳しいですが、網走港の南側には、防波堤上を散策できる親水防波堤「ぽぽ260」があり、この防波堤上は沖にいる海鳥類の観察に適しています。学会時期には、アビ類を観察できるでしょう。上空には時折ヒシクイが通過するほか、海ワシ類の渡り時期でもあり、崖に沿って飛んでいる姿をよく目にします。

<学会時期に観察できる主な鳥>
ヒシクイ・オオハクチョウ・シノリガモ・ホオジロガモ・アビ・オオハム・シロエリオオハム・ヒメウ・ウミウ・ミツユビカモメ・ウミネコ・カモメ・オオセグロカモメ・ケイマフリ・ウミスズメ・オジロワシ・オオワシ など

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冬の網走川河口(野鳥研究会部員撮影)

3回にわたる野鳥研究会お薦めの鳥見スポットの紹介は、今回が最終回です。網走周辺にはさらに多くの野鳥観察地があります。網走市周辺に限らず、オホーツクエリアの探鳥地情報を知りたい方は、日本野鳥の会オホーツク支部web サイト「オホーツク探鳥マップ」をご覧になると良いと思います。
次回以降は、網走滞在に役立つ(かもしれない)耳より情報をお届け予定です。

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