久々に対面形式で開催された日本鳥学会2022年度大会では、前回大会に引き続きポスター賞を実施いたしました。日本鳥学会ポスター賞は、若手の独創的な研究を推奨する目的で設立されたものです。第6回となる本年度は、厳正なる審査の結果、大泉龍太郎さん(岩手大・農)、JIANG YAJUNさん(千葉大・融)、徳長ゆり香さん(日獣大)が受賞しました。おめでとうございます。
応募総数はオンライン開催だった昨年度大会よりも15件増加し、その分、受賞は狭き門となりました。
どのポスターも興味深く、甲乙つけがたかったというのが実状です。部門によっては受賞者と次点者の間の差はほんの僅かなものでした。一方で、審査で上位となったものであっても、改善の余地が見られる部分もありました。発表内容をもう一度見直すことで、より魅力的なものとなることを期待しています。ポスター賞は30歳まで、受賞するまで何度でも応募できますので、あと一歩だった方も、2次審査に残れなかった方も、是非来年再挑戦してください。
最後に、ポスター賞の審査を快諾して頂いた9名の皆様、記念品をご提供頂いた株式会社モンベル様にこの場をお借りして御礼申し上げます。
2022年日本鳥学会ポスター賞
応募総数:48件
繁殖・生活史・個体群・群集部門:12件
行動・進化・形態・生理部門:19件
生態系管理/評価・保全・その他部門:17件
【受賞】
《繁殖・生活史・個体群・群集》部門
「盛岡市におけるコムクドリの渡り時期の把握と生息環境の要因解析」
大泉龍太郎・池田小春・山内貴義
《行動・進化・形態・生理》部門
「鳥類の翼先端形質は飛翔特性と生息環境に対応する」
JIANG YAJUN・村上正志
《生態系管理/評価・保全・その他》部門
「野生鳥類の肺から検出された大気中マイクロプラスチック」
徳長ゆり香・大河内博・谷悠人・新居田恭弘・橘敏雄・
西川和夫・片山欣哉・森口紗千子・加藤卓也・羽山伸一
【次点】
《繁殖・生活史・個体群・群集》部門
「都市―農村間の環境勾配におけるツバメの営巣地選択と最適環境の評価」
天野孝保・山口典之
《行動・進化・形態・生理》部門
「カワウ・アオサギ混合コロニーにおける非対称な『盗聴』行動」
本多里奈・末武かや・東信行
《生態系管理/評価・保全・その他》部門
「非繁殖地におけるヘラサギ類の干潟と周辺環境利用」
清水孟彦
【一次審査通過者】
《繁殖・生活史・個体群・群集》部門
「鳥類の共同繁殖の推進力は何か?
―リュウキュウオオコノハズクを用いたケーススタディー」
江指万里・熊谷隼・宮城国太郎・外山雅大・高木昌興
「佐賀平野におけるハシブトガラスとハシボソガラスの営巣特性」
新宮 仁大・徳田 誠
「網走周辺のオホーツク海域に生息する海鳥類の生息状況と分布に関わる要因」
木村智紀・白木彩子
《行動・進化・形態・生理》部門
「メスのブンチョウの,聞き馴染みのある求愛歌に対する選好性の検討」
牧岡洋晴・Rebecca Lewis・相馬雅代
「千葉県およびその周辺地域に特異的な眉斑の薄いエナガの分布」
望月みずき・大庭照代・箕輪義隆・平田和彦・桑原和之
《生態系管理/評価・保全・その他》部門
「繁殖期に耕作放棄水田を利用するヒクイナの行動圏」
大槻恒介
「知床半島における観光船の与える魚類と
自然の餌生物の海ワシ類による利用実態」
谷星奈・白木彩子