訃報

日本鳥学会事務局

日本鳥学会重鎮のお一人であった中村司さんが11月24日に91歳で亡くなられました。27、28日にはお通夜、ご葬儀が執り行われました。

中村さんは1990−1991年に日本鳥学会会頭を務められました。また、学会は中村さんより多くの寄付をいただき、これらを1997年に中村司基金としました。この基金は当初シンポジウム等開催費に充当していましたが、現在では若手会員を奨励する中村司奨励賞の副賞に充てられています。

ご高齢になられても積極的に学会へご参加いただき、若い会員の方でもよくご存じの方が多いと思います。そのお姿も見られないのは残念です。

ここに謹んでご冥福をお祈りします。

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2018年度学会賞 応募締め切り迫る!

基金運営委員会

以下の3つの学会賞の応募は、3月30日(金)で締め切られます。
自薦・他薦いずれも可能です。ぜひ、積極的にご応募下さい。

・内田奨学賞:アマチュアの会員を励ます賞。過去3年間に発表した論文から審査。
・黒田賞:優れた業績を挙げ、これからの日本の鳥類学を担う若手・中堅会員に授ける賞。
・中村司奨励賞:2018年度新設。国際誌に優れた論文(1編)を発表した30歳以下の若手会員に授ける賞。

いずれの賞についても、対象者、応募方法等の詳細は、日本鳥学会誌66巻2号の学会記事、あるいは学会Webサイト(http://ornithology.jp/)の「学会賞・助成」に掲載された募集要項をご覧下さい。

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無意識のバイアスーUnconscious Biasーを意識してみませんか

企画委員会(文責:藤原宏子)

 日本鳥学会2017年度大会(筑波大学)の受付近くに、「無意識のバイアスーUnconscious Biasーを知っていますか?」というタイトルのリーフレットが置かれていました。この質問に対する皆さんのお答えはどうでしょうか?この質問へのお答えが「いいえ」だとしても、働き方についての昨今のキーワードである「ダイバーシティ推進」ならば、「はい、知っています」とお答えになる方も多いかもしれません。
企業や大学において、女性をはじめ多様な人々が能力を発揮し共に働くことを推進していこうという動きがみられます。ダイバーシティを推進している組織は活力があり、強いともいわれています。そのダイバーシティ推進において、今、「無意識のバイアス(unconscious bias)」が注目されています。大会の受付近くに置かれていたリーフレットは、男女共同参画学協会連絡会が2017年に作成したもので、連絡会のホームページ上でも見ることができます(http://www.djrenrakukai.org)。
「無意識のバイアス」は鳥の研究に直接は関係しないかもしれません。けれども、長い目でみると、「無意識のバイアス」や「ダイバーシティ推進」に目を向けることは、鳥研究そのものを発展させ、日本鳥学会に有益なことなのだろうと思っています。

無意識のバイアスとは
 「女性は理系より文系が得意だと思う」など、人はそれぞれ何らかの偏見(バイアス)をもっています。このように、誰もが潜在的にもっている偏見を「無意識のバイアス」といいます。無意識のバイアスにはいくつかのカテゴリーがありますが、その一例として、リーフレットには次のような説明があります。

「ある属性(ジェンダー、職業、学歴、人種等)に基づいて人々を集団に分け、各集団の代表的な特徴(例えば、科学に強い・弱い、信用できる・できない等)を想定し、そこに属するメンバーは誰もがその特徴をもつと短絡的に判断してしまうことです。」

「無意識のバイアス」に関する研究
 社会科学や認知科学等の分野では、「無意識のバイアス」に関する実験研究や調査研究が行われてきました。リーフレットでは、このような研究も紹介されています。ここでは、その中の2つだけを簡単にご紹介しましょう。

人種についてのバイアス:雇用主が、同じ内容で写真がない履歴書による書類審査を行い、面接試験を行う人を選ぶ場合、履歴書の名前がアフリカ系アメリカ人の名前(ラキーシャやジャーマル)よりも白人の名前(エミリーやグレッグ)のほうを優先的に選ぶという結果がでています。

母親についてのバイアス: 「Getting a Job: Is There a Motherhood Penalty?」と題する論文があります(S.J. Correll, et al., 2007, Am. J. Sociology, 112, 1297-1338)。能力、学歴、職歴が同じレベルで、子どもの有無だけが違う採用候補者の男女に対する評価を、雇用主(研究協力者)にしてもらったところ、「母親だから」とみなす「無意識のバイアス」の存在が明らかになったのです。子どものいる女性は、男性や子どものいない女性に比べ低く評価され、初任給の額も低く見積もられました。

「無意識のバイアス」と上手く付き合おう
 「アフリカ系アメリカ人は~~だ」、「母親は~~だ」という「無意識のバイアス」は、雇用主の行動に影響を及ぼすことをご紹介しました。さらに、このバイアスを彼女たちがもつことにより自身の行動を縛ることになる可能性もあります。バイアスを持つこと自体は、人間にとって自然なことでしょう。経験に基づいて獲得された「無意識なバイアス」は、各個人が自分にとって有利な判断を素早く行う際の助けになっていると考えられます。しかし、バイアスのせいで、より良い選択肢を見逃している可能性もあります。実際の能力に見合った評価がされないことで、人材の多様化が進まず、組織やコミュニティにもマイナスとなるでしょう。「〇〇は~~だ」で終わらせずに、もっとじっくりと相手や自分自身について細かく情報を吟味することで、より良い判断をすることができると考えられます。 皆さんはどう思いますか?

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第27回国際鳥類会議(IOC2018)の参加補助金を募集しています!

基金運営委員会

 2018年8月にカナダ,バンクーバーで開催される第27回国際鳥類会議(IOC2018)の参加登録が始まりました。日本鳥学会では、研究発表をする若手会員に補助金を交付します。補助金交付を希望される方は下記のウェッブサイトや和文誌にある要項に従い、ふるってご応募下さい。

伊藤基金によるIOC参加補助金の申請募集
 ウェッブサイト:http://ornithology.jp/iinkai/kikin/prizes.html#ito
 和文誌:66巻1号(2017年4月)学会記事

なお、補助金申請の締切は2017年12月28日(必着)、IOCへの要旨提出締切は2018年1月31日です。
お間違えのないようお申し込み下さい。

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2018年度学会賞募集のお知らせ

日本鳥学会では内田奨学賞、黒田賞を設けていますが、来年度からこれに中村司奨励賞が加わります。この度、この3つの学会賞の募集が始まりました。

・内田奨学賞:アマチュアの会員を励ます賞。過去3年間に発表した論文から審査。
・黒田賞:優れた業績を挙げ、これからの日本の鳥類学を担う若手・中堅会員に授ける賞。
・中村司奨励賞(新賞):国際誌に優れた論文(1編)を発表した30歳以下の若手会員に授ける賞。

いずれの賞についても、対象者、応募方法等の詳細は、日本鳥学会誌66巻2号の学会記事、あるいは学会Webサイト(http://ornithology.jp/)の「学会賞・助成」に掲載された募集要項をご覧下さい。

ぜひ、積極的な応募、あるいは推薦をお願い致します。

また、2018年にカナダで開催される国際鳥類学会議(IOC2018)に参加、発表する若手会員に対する補助金の申請も募集しています。日本鳥学会誌66巻1号、学会Webサイトを参照の上、こちらにも積極的に応募して下さい。

基金運営委員会

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未来の学会のためにぜひ! 10月28日(金)まで延長 男女共同参画大規模アンケート

日本鳥学会会員のみなさまへ

2016年10月19日
企画委員会

10月8日(土)より始まった、男女共同参画学協会連絡会の第4回大規模アンケートの回答状況があまり芳しくないようです。前回の第3回大規模アンケートでは、生態学会、進化学会、動物学会、種生物学会等の自然史系学会の回答率が20%を超える中、鳥学会の回答率は8%でした。

この大規模アンケートの結果は、みなさまを含め、研究に関わる方々がよりよく研究生活を送るための施策のベースとなります。多くの回答を得るため、大規模アンケートの回答期限は10月28日まで延長されましたので、お知らせいたします。

回答は下記の男女共同参画学協会連絡会のホームページ 上で行えます。
http://www.djrenrakukai.org/

回答期限:10月28日(金)
鳥学会員のみなさまには、どうか積極的なご協力をお願い致します。

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写真好きの研究者に朗報  自分の論文の掲載された学会誌の表紙を自分の写真で飾りませんか?

2016年10月11日
日本鳥学会誌編集委員会 植田睦之

デジカメで手軽に写真が撮れるようになり,研究の合間に鳥の撮影を楽しんでいる方も多いのではないのでしょうか? そんな写真で学会誌の表紙を飾りませんか?

最近の和文誌は,表紙写真を掲載論文に関係するものにしよう,と,編集サイドで表紙写真を探して掲載することが多くなっています。でも,自分の論文が掲載された学会誌の表紙写真も自分の写真だったら,ちょっとうれしいですよね。
そこで,論文の投稿時に表紙写真もあわせて投稿できるようにしました。

いい写真をお持ちで,論文をどこに投稿しようか迷っている方,ぜひ表紙写真とともに日本鳥学会誌へ投稿ください。投稿お待ちしています。
 
ただ,1つの号にはたくさんの論文が掲載されますが,表紙は1つ。複数の表紙写真希望者がいた場合は,希望されても表紙写真として掲載できない可能性があります。表紙掲載の可否については,入稿時に印刷幹事から連絡させていただきますので,その点はご了承ください。

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バードリサーチ調査研究支援プロジェクト 研究プラン募集中(10月末まで)

2016年9月23日
NPO法人 バードリサーチ 植田 睦之

下世話な話ですが,お金,欲しいですよね。世知辛い昨今,所属機関や家計からなかなか調査費用も出してもらえない場合に,少しでも調査費があると助かります。でも研究を続けていくうえで,もっと大切なのが,自分の研究をみんなに知ってもらうこと。知ってもらえたら,何かの際に共同研究など研究を拡げることができるかもしれないし,原稿依頼も来るかもしれず,これから研究機関への就職を目指す人は,その点でも有利になるかもしれません。
この2つ,一気に満たしたいと思いませんか? 深くうなずいたあなた,バードリサーチの「調査研究支援プロジェクト」の調査プランに応募しませんか?

バードリサーチの調査研究支援プロジェクトは,支援対象の研究プランを選定し,それに対して募金を募るプロジェクトです。もらえるお金は寄付金次第ですが,これまでの実績を見ると数万円から数十万円とそれほど大きな金額ではありません。でも,プラン選定の一次審査では大御所の研究者の方たちにじっくりプランを見てもらえますし,支援対象に選定されればバードリサーチの会員など数千人の人に研究を知ってもらえます。

プラン応募の締め切りは10月末。詳しくは 以下のホームページをご覧ください
http://www.bird-research.jp/1_event/aid/index.html

注意点としては,応募のためには,バードリサーチの会員になる必要があることです。「お金をもらうために,まず会費が必要なんて,典型的な詐欺の手口だな」と思いましたか? 会費の必要な有料会員になってもらうのは大歓迎ですが,会費無料の協力会員でも応募できるので,詐欺ではないと思います。きっと。

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日本鳥学会2016年度大会の講演申し込みの締め切りは本日(7月15日)です。

2016年7月15日
広報委員会

今年の鳥学会は9月16~19日に札幌で行われます。
講演の申し込み締め切りは本日(7月15日)です。
まだお申込みされていない方はお忘れなく。
http://osj-2016.ornithology.jp/

宿泊先は、普通のホテル検索サイトでは満室のところが多いようですが、大会サイトからいけばまだ空きがあるようです。

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ボランティアのススメ

2016年7月11日
日本鳥学会企画委員会 佐藤望

 企画委員では鳥学研究の促進を目的として、鳥類調査に関するボランティア募集の情報を収集し鳥学会のHPで公開しています。
http://ornithology.jp/volunteer.html
まだ始めたばかりの企画なのでご存じでない方もいらっしゃると思いますが、全国で調査を経験する事ができる場所を掲載しています。

この活動を始めた背景には、鳥の研究に興味があっても研究できる研究室や調査をする場所がなかなか見つからないといった状況があります。また、卒業研究で鳥類の研究をしたいと思っても、限られた期間のなかで一人で調査を0から覚えて実行するのはなかなか簡単ではありません。このような状況下にある鳥の研究を志す人にとって、ボランティアとして野外の鳥類調査に参加することは大きな意味があります。また、所属した研究室が鳥類の研究をしていない場合でも、調査地があってテーマがあれば、鳥類をテーマに卒業研究ができるかもしれません。

私はニューカレドニアなどで鳥類の野外調査をしてきましたが、その間、国内外の学生が参加してくれました。一部の国ではインターンとして海外の調査を経験することが博士課程に進学するために必要らしく、欧州や南米から問い合わせが来て、実際に何人かの学生を受け入れました。彼らは調査に参加することで調査能力や研究の方法を習得できたと思いますが、それだけではなく、毎日の生活の中で多くの議論をすることで受け入れた側にも新しい発見やモチベーションの向上などがありました。

鳥学用.jpg
ドイツからニューカレドニアにインターンで手伝いに来てくれました(著者は向かって右)

海外の若手研究者に負けないよう、特に日本の若手の皆さんにも是非このような場所に飛び込んでもらえればと考えています。もちろん、もう若手じゃない…という人も、きっと受け入れてくれると思いますので、老若男女問わず、積極的にこのボランティア募集情報を活用してもらえればと思います。

また、全国で鳥の調査をしている皆さま、ボランティアを受け入れてはいかがでしょうか。受け入れが可能であれば、佐藤(nozomu ATMARK liferbird.com)まで連絡を頂ければ幸いです。

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