日本鳥学会2022年度大会 高校生プログラム(小中学生も可!)のご報告
例年大会を盛り上げてくれる高校生によるポスター発表ですが、それだけでは高校生のみなさんにせっかく網走まで来てもらうのに申し訳ない!と、今年はキャンパスツアー「突撃!東京農業大学北海道オホーツクキャンパス!」、さらにはキャリア育成ワークショップ「高校生のための鳥学講座」を実施しました。
キャンパスツアーでは、東京農業大学家畜生産管理学研究室の大久保先生と大学院生の目黒さんから、学部のことやエミューの研究を紹介していただきました。エミューって2カ月もオスが飲まず食わずで抱卵し続けるのですね…。また、白木先生のもとで研究を行っていたお二人のOGにもいらしていただき、大学選びの過程からキャンパスライフ、今の職業に至った道筋などについて紹介していただきました。座学のあとはエミューの飼育施設を遠目から見学し、エゾシカの飼育施設にも行ってササをあげて癒されました。
ポスター発表は一般のポスター発表が行われている体育館とは離れた教室で実施したので、大会参加者のみなさまに聞きに来てもらえるか心配でしたが、ふたを開けてみたら換気に追われるほどたくさんのみなさまにいらしていただきました。中高生のみなさんも自信を持って発表しているのが印象的でした。
なお、今年度の高校生ポスター賞は以下の通りです。
● 最優秀賞
「フクロウの給餌食物解明に向けたペリット分析と映像分析の比較」
緒方 捷悟、坂井 智洋、門脇 優依、多湖 由海、田中 来瞳、
藤田 直花(三重県立桑名高等学校 MIRAI研究所)
● 表現賞
「フクロウが好む巣箱って知ってる?」
丹下 翠(三重大学教育学部付属中学校)
● 科学賞
「柳瀬地区におけるカラスの大量発生の原因について」
角島 凪(中央大学附属高等学校)
● 努力賞
「みや林における鳥類定点観察からの考察」
西田 康平(桐朋高等学校 生物部 鳥類班)
キャリア育成ワークショップでは、越智大介さん(水産研究・教育機構)と須藤明子さん(株式会社イーグレット・オフィス)から、それぞれ「日和見主義的鳥学生活~「楽しく」研究活動を続けるために~」、「野鳥をまもりたい獣医、野鳥を狙撃するのはなぜ?」と題してお話しいただきました。その後、キャリア形成に関わる疑問,将来に関する悩みなどについて考えるワークショップを行う予定でしたが、講師陣の熱の入ったプレゼンでタイムアップ!それでも普段聞けない面白い話しがたくさん聞けたと思います。
最後に、参加者からの参加報告を紹介します!
「日本鳥学会感想文」
角島凪(中央大学附属高等学校 3 年)この度、有難い事に高校生の部で科学賞を頂くことができました。ありがとうございました。
私は当学会を通して多くの学びを得ました。公開シンポジウムで印象に残っているのは、アイスアルジーによる海底への餌の供給、シャチのサドルパッチの違いと食性の違いの二つです。また、私の研究対象と同じカラスを研究対象としている研究を多く拝見しました。特に私が自分の研究でつまずいていた、カラスによる農作物被害の対策案について、緑色のレーザー光が赤色レーザーに比べて効果的で、更には動かして放射した方が効果的であること。さらに、1305㎡以下の農地面積であれば「くぐれんテグスちゃん」(農研機構 吉田さん)を、それ以上であれば緑色レーザー(長岡技大 山本さん・笹野さん)を使用するのがコストの観点では良いという話がありました。私の調査地域の所有農地面積はバラバラであるため、所有面積に適した対策案を提示できる可能性に期待が膨らみました。
高校生ポスター発表では、多くの方々 から多岐にわたる視点で助言を頂きました。
このような機会を作ってくださった日本鳥学会の役員の皆様、私の研究に助言を下さいました研究者、学生の皆様、心より感謝申し上げ ます。
「日本鳥学会2022年度大会でポスター発表をしました!」
都立国分寺高等学校11月5日(土)~6日(日)、「日本鳥学会」に参加しました。会場は、北海道網走市の「東京農業大学 北海道オホーツクキャンパス」です。本校からは下記の2組(2年生3名,1年生1名)が校生ポスター部門で発表を行いました。
・ 「カラスバトの音声コミュニケーションについて」(久保・相田)
・ 「カラスバトのGPSを使ったその生態の解明」(石井・大野)
また、受賞記念講演や高校生のための鳥学講座を聴講したり、野鳥研究会の学生さんの案内でキャンパス内の林内散策路を歩いて野鳥を探したり、飼育されているエゾシカやエミューを見せていただいたりして、とても充実した時間を過ごしました。
【生徒の感想】
・参加者の方々とたくさんディスカッションすることができて楽しかったです。
・発表を聞いてくださった研究者の方々から様々な視点でアドバイスをいただいたので、それらを今後の研究に活かして行きたいです。
・他校生の研究発表にも大変刺激を受けました。
【生徒が撮影した写真】