2025年度日本動物学会女性研究者奨励OM賞、動物学教育賞、茗原眞路子研究奨励助成金のご案内

公益社団法人日本動物学会からのお知らせです。

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日本動物学会は、2025年度の下記賞及び助成の公募を実施いたします。茗原眞路子研究奨励助成金は2025年4月より募集開始となります。詳細は下記URLよりご覧ください。皆様のご応募を、お待ちしております。

日本動物学会女性研究者奨励OM賞
https://www.zoology.or.jp/about/others/om
2025年度応募締切 2025年3月31日(月)正午

動物学教育賞
https://www.zoology.or.jp/about/others/education
2025年度応募締切 2025年3月31日(月)正午

茗原眞路子研究奨励助成金
https://www.zoology.or.jp/about/myoharafund
2025年度募集期間 2025年4月2日(水)~5月7日(水)正午

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(2025年1月18日 事務局)

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埼玉県職員採用選考(環境研究職)のお知らせ

埼玉県職員採用選考(環境研究職)のお知らせです。

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■公募概要
令和6年度 埼玉県職員採用選考(環境研究職(自然環境分野))
受付期間 令和6年11月5日(火) ~ 12月4日(水)(期間内消印有効)

採用予定人員
1人 (欠員の状況等により変更になる可能性があります。)

職務内容
埼玉県環境科学国際センターに勤務し、動物を中心とした生態学、保全生態学等の分野に関する調査研究及び生物多様性保全に関する地域協働や教育・普及啓発の取組に従事します。

採用予定日
令和7年4月1日

問い合わせ先
〒347-0115 埼玉県加須市上種足914
埼玉県環境科学国際センター 事務局 酒井、山崎
電話 0480-73-8331

【公募情報】
https://www.pref.saitama.lg.jp/cess/center/kenkyuin-bosyu20250401.html

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(2024年11月14日 事務局)

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2024年度黒田賞を受賞して

森口紗千子(日本獣医生命科学大学 獣医学部 野生動物学研究室

このたびは、栄誉ある黒田賞を受賞させていただき大変光栄です。
今大会では、受賞講演に加え、大会実行委員の仕事と公開シンポジウムのコーディネーター、企画委員の仕事など、大会中は忙しなく動いていましたが、お会いする方々から口々にお祝いのお言葉をいただき、とても幸せな時間を過ごさせていただきました。また、今大会はハイブリッド開催であったため、会場に来られない方たちにも、講演を聞いていただくことができました。講演会場だけでなく、休憩室でのサテライト配信やオンライン配信にご尽力いただいた大会実行委員のみなさまに、重ねて御礼申し上げます。同じ大会実行委員として頼もしく、安心して講演することができました。

受賞対象となった研究内容は、「鳥類生態学で拓く鳥インフルエンザ研究」と題して講演しました。私は、鳥インフルエンザウイルスの本来の自然宿主とされる、ガンカモ類の一種であるマガンの生態研究で学位を取得したのちに、鳥インフルエンザの研究を始めました。学生時代より培った知識や技術、人とのつながりなどを拠り所として鳥インフルエンザ研究を進められたことは事実ですが、不安定なポスドクの職を転々としながらも、「これだ!」と自ら選びとって続けてきた研究を日本鳥学会に認めていただけたことは、大変意義深いものでした。

対象となった研究は、野生鳥類における鳥インフルエンザのリスクマップ作成や野生鳥類の高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)サーベイランスおよび飼養鳥のHPAI防疫体制の構築に向けたアンケートなどです。これらに加え、農林水産省の高病原性鳥インフルエンザ疫学調査チーム委員としての疫学調査や疫学報告書執筆といった社会的活動を、業務研究の傍らで行ってきました。このような鳥類学以外の獣医疫学などの他分野とも深く関わり合い、鳥類学者が担う社会的責任を果たしてきたことを評価いただきました。

鳥インフルエンザ研究の対象としたカモ類

鳥インフルエンザは動物の疾病であるため、獣医学が中心となる研究分野です。しかし、野生鳥類がHPAIウイルスを運ぶキャリアとして機能している以上、野生鳥類の生態の理解が進まなければ、その感染拡大リスクの予測や対策を効果的に進めることはできません。HPAIウイルスの知識が必要であることは言うまでもありませんが、どのような場所で、どの鳥類が感染しやすそうなのか、どんなサーベイランスをすればHPAIウイルスの国内侵入や感染の広がりを検知できるのか、宿主側の情報から予測が立てられるのは、鳥類生態学者の強みだと感じています。

そして、人、動物、環境の健康を一つとみなすというOne Healthの理念に基づき、獣医学など他分野の研究者と鳥類生態学者が協働することで、互いの研究分野を理解し合い、個々の研究分野だけでは成しえない目標が達成されていく実感を得てきました。さらに、バードウォッチャーや野生鳥類研究に携わる人々に近い鳥類学者が鳥インフルエンザ研究に関わることで、野生鳥類関係者の協力や理解を得られやすいのでは、とも感じています。研究を進めていく中で、国内外の検査機関や行政担当者、動物園関係者、野生鳥類の救護施設や野生鳥類生息地の管理者など、様々な立場の方々をお話する機会をいただきました。野生鳥類、家きん、飼養鳥、そして人のくらしから、HPAIによる被害を減らしたいという関係者の願いに少しでも応えてゆけるよう、引き続き鳥類研究者としての責務を果たしていきます。

今年で14名となった黒田賞受賞者のうち、女性は私で3人目です。講演では、大学院の同期たちの協力を得て、生態学者の現状を紹介しました。博士課程進学時から学位取得まで、男女比はほぼ1:1であったものの、その後女性研究者だけが減少し続け、回復することもありませんでした。性別にかかわらず、鳥類学を含む生態学の分野で研究職を続けていくことは、博士号を取得することよりもずっと厳しいです。そして残念ながら、少なくとも日本においては、女性であればなおさらです。

授賞講演の様子(2024年度大会、令和6年9月13日)

黒田賞は、私よりも少し年上の方々が日本鳥学会に働きかけたことをきっかけに、創設されました。受賞対象となった鳥インフルエンザに関わる研究や社会的活動を私が続けてこられたのは、研究環境を整え背中を押してくださった上司たちをはじめ、周りの方々のおかげです。一方で、若い研究者が研究職をあきらめなくていいように、まだポスドクの立場にあった日本鳥学会員の先輩方が動いてくださったおかげで、黒田賞があります。受け取る側から与える側へ。今度は私も、鳥類学を志す若い世代にバトンを渡せるよう、日本鳥学会をより良い方向に変えていけるよう、力を尽くしていきます。

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2024年度中村司奨励賞を受賞して

飯島大智(東京都立大学大学院都市環境科学研究科)

東京都立大学の飯島大智です。2024年度中村司奨励賞をいただき誠にありがとうございました。栄誉ある賞で、大変光栄に思っております。本賞の審査選考を行っていただいた鳥学会基金運営委員のみなさま、評議員のみなさま、ならびに本記事執筆の機会を下さった広報委員のみなさまに感謝を申し上げます。本記事では、受賞論文研究について概説するとともに、受賞論文にて使用されている系統・形質解析の魅力を紹介させていただきます。

受賞論文の概要
生物群集の地理的勾配を形作るプロセスの解明は生態学の中核を担う課題であり、それらのプロセスの解明は、気候変動や人間による土地改変が生物群集に与える影響を理解し予測するために重要です。生物群集の地理的勾配を形作るプロセスを研究するうえで、標高と共に気温や植生などの環境が劇的に変化する山岳域は理想的な研究場所です。しかしながら、低山域から高山帯までを含む広い標高範囲を野外調査によって研究した例は乏しく、特に亜高山帯や高山帯に成立する生物群集構造がどのような要因によって決定されているのかを、後に述べる系統・形質アプローチから検証した例は大陸の山脈や熱帯域の島嶼で実施されたごく少数の研究に限られ、さらなる研究が求められていました。さらに、高山帯を含む広い標高範囲の群集構造の標高勾配に対して、自然環境と人間による土地利用の改変が与える相対的な影響も未解明でした。
そこで本研究では、温帯の島国である日本において、長野県乗鞍岳の標高700mから3,026mにかけて野外調査を実施し、標高100mごとに鳥類群集構造を調べました。各群集を、種数に加えて、構成種の系統や形質から特徴づけ、無機的環境、植生、人間の土地利用との対応を解析しました(研究手法の詳細は過去の鳥学通信の記事:https://ornithology.jp/newsletter/articles/646/ で紹介されていますので、ぜひこちらもご参照ください)。その結果、高山帯では低温、樹木のない環境、乏しい餌資源が、亜高山帯上部では亜高山帯針葉樹林が鳥類群集構造に対する強い環境フィルターとして機能していることがわかりました。この発見は、気候によるフィルター効果が弱い熱帯のボルネオ島での研究結果とは対照的であり、大陸の山岳における発見と一致するものでした。すなわち、一般に気候が穏やかである島嶼部であっても、温帯では気候によるフィルターが強い影響を与えることを示唆しています。さらに、人間活動が営まれている低山域において、撹乱地を好む種が群集中に追加され、群集の系統・機能構造が変化していました。しかし、勾配の約半分が国立公園に指定され大規模な都市化が行われていない乗鞍岳においては、人間による土地改変の影響は自然環境と比較して相対的に弱いことも発見しました。以上の成果から、高山帯は気候変動に対して高い脆弱性を有するとともに、現在はほとんど撹乱されていない亜高山帯では針葉樹林の破壊がその場に成立する鳥類群集に対して深刻な影響を与えうることを示唆しました(図1)。


図1. (a)高木のない高山帯と(b)数種の樹種が優占する亜高山帯の景観。

系統・形質解析の魅力
以上の研究成果を得るにあたり、群集を構成種の系統や形質から特徴付ける解析が大きな役割を担っています。これらの解析は、系統アプローチ(Phylogenetic approach)および機能アプローチ(Functional approach)と呼ばれ、近年、群集生態学の分野で研究数が増えています。従来、生物群集の構造は種数によって特徴づけられることが多く、種数の緯度勾配や標高勾配に関する研究論文が多数出版されてきました。しかし、種数という指標では、種のもつ生態や進化的な背景を考慮できません。例えば、キジバトも、ジョウビタキも、オオミズナギドリも、生態や系統が顕著に異なるにも関わらず、等しく1種です。このように、種数に基づく解析は、種がもつ情報を過度に単純化してしまうという欠点があります。その一方で、系統アプローチでは、公開されている(例えば、Jetz et al. 2012)または自身で構築した分子系統樹を参照し、機能アプローチでは、公開されている種の形質に関するデータベース(例えば、Tobias et al. 2022)や自身で収集した形質データを参照し、それぞれ解析することで、種の系統や機能といった情報を考慮して群集構造を解析し、解釈することができます。野外で得た着想を解析に明示的に組み込めることは、フィールドワークをベースとして生物群集の研究に取り組む研究者にとってこれ以上ない魅力だと感じています。今後も、系統・形質アプローチを駆使し、生態学および鳥学の発展に貢献していきたいです。

受賞論文
Iijima D, Kobayashi A, Morimoto G & Murakami M (2023) Drivers of functional and phylogenetic structures of mountain bird assemblages along an altitudinal gradient from the montane to alpine zones. Global Ecology and Conservation 48: e02689. https://doi.org/10.1016/j.gecco.2023.e02689

引用文献
Jetz W, Thomas GH, Joy JB., Hartmann K & Mooers AO (2012) The global diversity of birds in space and time. Nature 491: 444-448. https://doi.org/10.1038/nature11631
Tobias JA, Sheard C, Pigot AL, Devenish AJ, Yang J et al. (2022) AVONET: morphological, ecological and geographical data for all birds. Ecology Letters 25: 581-597. https://doi.org/10.1111/ele.13898

授賞式の様子(2024年度大会、令和6年9月13日、撮影:基金運営委員会)

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長野県職員(環境保全研究所)募集のお知らせ

長野県環境部環境政策課より、長野県環境保全研究所の職員募集案内がありました。
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希少鳥類の保護・保全等にかかわる長野県職員の公募について

勤務予定機関:環境保全研究所(飯綱庁舎)

職務内容:鳥類生態に関する研究・普及啓発業務等
<具体的な職務>
・鳥類の生態、保護・保全に関する研究業務及び情報発信
・希少鳥類(ライチョウやイヌワシなど)の保護・保全に関する研究、施策の提案、支援等
・野鳥の会等との連携による鳥類の生息状況把握や情報収集
・野生鳥獣保護管理が必要な種(カワウやカラス類など)の生息状況把握や情報収集

採用予定人員:1名

受付期間:10月1日(火)~10月25日(金)

詳しくは下記の長野県HPをご覧ください。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankyo/kensei/soshiki/soshiki/saiyo/r6kanpoken_bosyu.html

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(2024年10月2日 事務局)

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滋賀県立琵琶湖博物館の学芸職員募集(動物生態学・鳥類)のお知らせ

滋賀県立琵琶湖博物館より、下記の通り学芸職員募集の案内がありました。

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採用職種:学芸員または学芸技師
採用予定人員:動物生態学(鳥類) 1名
採用の時期:令和7年4月1日
勤務先:滋賀県立琵琶湖博物館
受付期間:
令和6年9月30日(月)から令和6年10月30日(水)までの執務時間中。
郵送の場合は、令和6年10月30日(水)までの消印があるものに限る。

【問合せ先】滋賀県立琵琶湖博物館総務部総務課
〒 525-0001 草津市下物町1091
電話:077-568-4811
電子メールアドレス:de52●pref.shiga.lg.jp (●を@に変えてください)

詳細および必要書類は下記URLをご覧ください。
【滋賀県立琵琶湖博物館ホームページ】
https://www.biwahaku.jp/2024/10/post_218.html

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(2024年10月2日 事務局)

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日本鳥類目録改訂第8版の販売を開始しました

「日本鳥類目録改訂第8版」の販売を鳥学会ウェブサイトで開始いたしました。

ご注文は鳥類目録のページ「「購入申込フォーム」」よりお願い致します。

目録の編集にあたり、多くの皆様からご支援をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。

目録編集委員会
委員長:西海 功
副委員長:金井 裕・山崎剛史
運営委員:小田谷 嘉弥・亀谷辰朗・齋藤武馬・平岡 考
委員:池長裕史・板谷浩男・梅垣佑介・大西敏一・梶田 学・先崎理之・高木慎介・西沢文吾・平田和彦

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(2024年9月30日 目録編集委員会)

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2025年度笹川科学研究助成の募集について

(公財)日本科学協会より2025年度笹川科学研究助成の募集についてお知らせが来ています。是非応募をご検討ください。

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■主な募集条件
【学術研究部門】
・大学院生等(修士課程・博士課程)
・35歳以下の任期付き雇用の若手研究者
・ただし、「海に関係する研究」は重点テーマとして支援し、雇用形態は問わない。
・助成額は、1件150万円を限度とする

【実践研究部門】
・学校・NPO職員等に所属している方
・博物館、図書館等の生涯学習施設に所属している学芸員・司書等
・年齢、雇用形態は問わない。
・助成額は、1件50万円を限度とする

■申請期間
・申請期間:2024年 9月17日 から 2024年10月15日 17:00 まで

■申請方法
Webからの申請となります。詳細は本会Webサイトをご確認下さい。
https://www.jss.or.jp/ikusei/sasakawa/

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(2024年8月11日 事務局)

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藤原ナチュラルヒストリー振興財団 学術研究助成(動物分野)のご案内

(公財)藤原ナチュラルヒストリー振興財団より第33回学術研究助成(動物分野・2024年度)お知らせが来ています。是非応募をご検討ください。

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当財団では、毎年ナチュラルヒストリーの研究を行っている研究者または研究グループに研究に必要な資金の助成を行っております。今年度の募集が始まっております。応募方法等を財団ウェブサイトでご確認のうえ、奮ってご応募ください。

【対象】
日本国内の大学、研究施設に勤務するか、または日本国内に居住し、ナチュラルヒストリーの研究を行っている個人またはグループ。ナチュラルヒストリーを、動物・非動物(地学・植物)の二分野に分け、このいずれかに対して助成します。今年度は、動物分野に対して、研究に必要な資金を助成します。
【助成金】
1件あたり 30 ~ 100万円
研究期間:2025年4月1日から1年間。ただし、助成金の使用期限は2026年2月末まで
【締切】
2024年9月1日(日) 当日消印有効
【応募方法等】
応募資格及び応募方法等を当財団ウェブサイトにてご確認のうえ、ご応募ください。
【問い合わせ先】
財団事務局 電話:03-3713-5635  e-mail: jyoseikin@fujiwara-nh.or.jp

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(2024年8月4日 事務局)

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2024年度「NHK アーカイブス学術利用」公募開始のお知らせ

NHKアーカイブス学術利用事務局より下記のお知らせがありました。

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NHKでは、アーカイブス保存の映像・音声を学術研究に利用していただく研究を募集しています。採択研究者は、東京・NHK 放送博物館、埼玉県川口・NHK アーカイブス、大阪放送局の閲覧室で希望のコンテンツを閲覧することが出来ます。

  • 2024年度閲覧期間:2024年10月~2025年3月 (1組30日まで利用可)
  • 対象者:大学、高等専門学校、公的研究所所属の職員・研究者、大学院生
  • 締め切り:2024年8月19日
  • 募集数:放送博物館 6 組、NHK アーカイブス 4 組、大阪放送局 2 組

応募要項はホームページをご覧ください。
http://www.nhk.or.jp/archives/academic/

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(2024年6月25日 事務局)

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