鳥類学若手の会の活動

飯島 大智1・山﨑 優佑2・水村 春香3・姜 雅珺1・田谷 昌仁4・犬丸 瑞枝5・井上 遠6
1 千葉大学大学院 融合理工学府
2 特定非営利活動法人バードリサーチ
3 東京大学大学院 農学生命科学研究科
4 東北大学大学院 生命科学研究科
5 国立感染症研究所 昆虫医科学部
6 一般社団法人バードライフ・インターナショナル
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鳥類学若手の会は2018年に発足した「若手」で「鳥の研究に興味がある」人なら誰でも参加できる団体です。本会の活動の目的は、鳥類の研究に興味がある若者同志の専門分野や所属を超えた交流を促進することであり、1年を通してオンラインや実地でのイベントを開催しています。会員の人数は2023年1月時点で80人を超え、大学生や大学院生だけでなく、社会人や高校生も参加し、多様性に富むグループになってきました。今回は鳥類学若手の会、そして行っている活動について、紹介していきます。なお本稿の最後に、入会のための手段および若手の会のウェブサイト情報を記載していますので、気になる場合にはぜひご確認ください。

参加条件
はじめに本会への参加の条件を紹介します。本会は入会を35歳以下に限定しています。その理由は、世代が近い者同士の自由な交流の場を設けたいためです。また、一見すると研究者によって構成される団体のようにも見えますが、決して鳥の研究をしている必要はありません。必須条件は「鳥の研究に興味があること」であり、高校生や、卒業研究のテーマが決まっていない大学生、社会人の参加も大歓迎です。また、各学会に所属している必要はありません。

イベントについて
2020年のコロナ禍以降、鳥類学若手の会は主にオンラインで活動を行っています。まず2020年以降のオンラインイベントについて概説します。次に、2020年以前の対面を中心として行われていたイベントについても簡単に紹介していきます。対面イベントは、今後コロナ禍以前の日常が取り戻された場合には実施したいと考えています。

オンラインイベント
鳥類学若手の会は年に数回のウェブセミナー(以下、ウェビナー)を開催しています。鳥類学ウェビナーでは、若手の会のメンバーをはじめ、鳥類を材料とした研究を行っている方を演者としてお招きし、オンラインで講演していただきます。発表後の質問タイムは、きっと学会よりも和やかな雰囲気のなか、気になる内容についてじっくりと話を聞くことができるはずです。また3月から4月にかけては、会員の希望者が発表する形で卒業論文・修士論文・博士論文の内容についての発表会も開催しています。新規性のある興味深い研究内容に耳を傾け、もし今後研究を開始する方であれば、どんな研究をしていこうか考える良いきっかけになるでしょう。また発表者も鳥を専門とする会員からの意見を、ご自身の研究の発展に生かすことができるかもしれません。
また、会員のなかの希望者を対象として、論文や専門書の輪読会も行っています。鳥類という共通点のもと、専門外の分野の論文の解説を聞き、議論する機会は研究室などではなかなか得られないかもしれません。また共通の本を参加者で読み、意見交換する機会は、その内容について深い理解と洞察を得られると期待できます。ほかにも2022年には、自分の研究を3分間で紹介するライトニングトークイベントや、研究手法についての勉強会や雑談会を、2021年までは日本鳥学会大会で自由集会の開催(参加者の年齢制限なし)などをしてきました。
さらに、会員はオンラインチャットツール「Slack」に参加することができます(図1)。Slackでは、鳥類学関連のイベント情報、就活情報、解析に関する質問、研究に使う試料収集の依頼など、イベント以外でも会員と繋がり、様々な鳥類学情報を発信・収集ですることができます。最初の投稿の敷居は高いかもしれませんが、どんな些細な質問や相談、雑談でも、投稿してくれればそこから新しい視点や研究のアイデアが得られるかもしれませんし、他に気になっていた人の役にたつかもしれません。ぜひお気軽に投稿をお願いします!

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図1 会員はオープンチャットツール「Slack」で、鳥類学関連の情報を発信・収集することができます。*写真をクリックすると、拡大してご覧いただくことができます。

対面イベント
コロナ禍前はオンラインだけではなく、対面とオンラインを組み合わせる形で活動を行っていました。活動内容としては、輪読会、研究報告会、論文合宿、解析ツールの勉強会などを実施していました。具体的には、関東に住んでいる会員が都内に集まり、現地で輪読を進行し、遠方に住む会員はオンラインで参加するような形でイベントを運営していました(図2)。

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図2 コロナ禍以前は、対面での輪読会や研究報告会を行っていた。現在はオンラインで同様のイベントを開催していました。

論文合宿では、大学の合宿施設を借り、各々が2日間で論文執筆の目標をたて(例えば、1章を書き切るなど)、進捗を報告しあい、疑問点を議論しながら執筆を進めました。コロナ禍以前の日常が取り戻されれば、こういった現地でのイベントも開催できるようになるかもしれません。

入会について
会での活動を通して、研究仲間を見つけることができるかもしれません。お互いに切磋琢磨しながら研究を進めたり、異分野の研究に触れたり、将来の進路を考えるために現役の若手研究者と交流することは、きっとご自身の研究や活動に良い影響があると信じています。本会に興味をもっていただけた方は、本会ホームページ(図3; https://ornithologywakate.wixsite.com/home)から活動の詳細を確認いただき、ホームページの ”About Us” から ”入会・退会・MLについてはこちら” をクリックし、入会申し込みをお願いします。ぜひ一緒に、鳥類学を楽しみましょう!

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図3 若手の会ホームページのQRコード

 

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translatEプロジェクトについて

海外での研究シリーズ、オーストラリアでの研究の様子を3回に分けて紹介していただいた天野達也さんの記事は、今回で最終回となります。天野さんは本記事でも触れられている研究内容で第18回学術振興会賞を授賞されています(授賞理由等詳細(PDF)クイーンズランド大学のニュース記事)。

英語での論文執筆や発表で苦労されている方は多いと思いますし(私も現在オーストラリアにいますが、英語がペラペラになれる気はしません・・・)、英語ができて当たり前だから・・・と諦めてしまった経験がある人はいないでしょうか。その「当たり前」にあえて疑問を投げかける天野さんの論文を読むと、苦労しているのは私だけじゃないんだ、という気づきと、特に最後の考察と結論の文章、英語ネイティブの人たちに訴えかける力強い言葉に、英語を母国語としない世界中の研究者が勇気を貰える気がしています。是非、リンク先の論文にも(英語ですが、DeepLGoogle翻訳など一昔前より飛躍的に向上している技術を活用しつつ)目を通してみてください。(広報委員 上沖)

連載の第一回ではオーストラリアへの異動の経緯を、第二回では私が感じたオーストラリアの研究・生活環境について書かせていただきました。

最終回となる今回は、私がオーストラリアに来てから立ち上げたtranslatEというプロジェクトについて紹介させていただこうと思います。

translatEプロジェクトでは、人によって母語が異なることによって生じるコミュニケーション上の障害、「言語の壁」に注目し、それが生物多様性の保全や、科学全体にどのような影響を及ぼすかを明らかにすること、またその問題を解消していくことを目的としています。詳しくはウェブサイトもご覧ください。

2008年に在外研究のために渡英して、当初は自分の言いたいことが全く英語で表現できなかった経験から、英語の壁の存在は個人的にずっと感じていました。ただし、その英語の壁が生物多様性保全や科学全体に及ぼす影響を意識するようになったのは、2011年頃にLiving Planet Index(LPI)に使われているデータの分布図を見たのがきっかけでした。アフリカのデータ分布が明らかにケニア、タンザニアなど一部の国に偏っていたのです。当時所属していた研究室の学生がこれらの国でのフィールドワークは英語が通じて便利と話していたこともあり、LPIのデータ分布と英語が公用語の国を見比べてみると驚くほど似通っていて、「英語が公用語の国のデータしか使われていない…?」と衝撃を受けました。

そこで生物多様性に関わる複数の国際的なデータベースを用いて、収蔵されているデータの分布と各国の英語話者数の割合を比較すると、やはりどのデータベースでも英語話者数の割合が高い国ほど収蔵されているデータ数も多いことが分かりました(Amano & Sutherland 2013)

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オーストラリア生態学会・国際保全生物学会オセアニア支部合同年次大会での発表
コピーライトマーク Ecological Society of Australia

このパターンが生まれる原因は二つ考えられます。一つは、英語が公用語でない国の方が実際にデータが少ないこと、もう一つは、英語が公用語でない国のデータが国際的に利用されていないこと、です。もちろん実際には両方影響しているのでしょう。ただ日本の研究やデータがしばしば日本語でしか得られず、国際的には使われにくいことを知っていた私としては、後者が少なくとも日本には当てはまることを知っていました。問題はそれが他の国にも当てはまるかでした。

そこで英語以外の言語でそもそもどのくらいの科学的知見が出版されているのか調べてみることにしました。幸い、非常に多くの国籍の研究者と知り合える環境にいたため、ターゲットとした16言語のほとんどについて、知り合いの中から文献検索に協力してくれる人を見つけることができました。フランス語は協力者がすぐには見つからなかった言語の一つで、受け入れ研究者だったビルに頼んだところフランス生態学会の会長(!)を紹介され、「フランス語でconservationは何というのですか?」と聞いたところ、「ええと… conservation… だね。」と返信が返ってきたのは今となっては笑い話です。

その結果、生物多様性保全に関わる文献の約3分の1は英語以外の言語で発表されている可能性が明らかになり、2016年に論文として発表しました(Amano et al 2016)。メディアでの取り上げられ方や研究者コミュニティからの反応に見るこの論文への反響は予想以上に大きく、もっと掘り下げてみる価値のある課題だと感じました。

そこでその後すぐ2017年から、各言語の話者から正式な共同研究者を募って、特定の基準に当てはまる学術論文が各言語でどのくらい存在しているかを明らかにする研究を始めました。当時所属していたグループが主導していたConservation Evidenceプロジェクトで生物多様性保全の対策の効果を科学的に検証した論文を検索・収集していたので、同じプロトコルを用いて、検索を他の16言語に拡張することで、同様の論文が英語以外の言語でどのくらい得られるかを明らかにすることにしました。

さらに2018年には言語の障壁が生物多様性保全に及ぼす影響として、世界規模でのエビデンス集約への影響(英語以外の言語で得られるエビデンスが国際的には利用されない問題)、また各地でのエビデンス利用への影響(英語でしか得られないエビデンスが非英語圏では利用されない問題)、という二つの問題に注目した研究計画をまとめ、獲得したfellowshipで2019年からオーストラリアへ移り、本格的なプロジェクトとしてこれらの課題に取り組むようになりました。

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クイーンズランド大学セントルシアキャンパス

Fellowshipを獲得したことで、これらの研究に集中して取り組むことができ、言語の障壁が生物多様性保全に及ぼす影響について様々な成果を発表することができました。2021年には50人以上の共同研究者との3年以上にわたる共同研究の成果として、英語による保全対策の効果に関するエビデンスが少ない地域や種において、特に英語以外の言語で得られるエビデンスが多いという成果を発表することができました(Amano et al 2021a)。これはすなわち、英語以外で発表されている科学的知見を国際的に有効活用することで、英語だけでは情報が得られない種や地域について保全上重要な情報が手に入るということを示しています。

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クイーンズランド大学セントルシアキャンパス

またNegret et al (2022)では、鳥類の絶滅危惧種では分布域内で特に多くの言語が使われていること、Chowdhury et al (2022)では、生物多様性保全に関わる文献の発表が英語だけでなく他の多くの言語でも毎年増え続けていることを示しました。どちらの結果も、言語の障壁を克服することが保全において重要であることを示しています。これらを踏まえてAmano et al (2021b)では、科学における様々なタイプの言語の障壁を克服するための解決策を提案しました。また以下の研究はまだプレプリントの段階ですが、英語が公用語でない国における生物多様性に関する報告書で英語以外の言語の文献が重要な役割を果たしていることを示した研究(Amano et al 2022a)、また日本を含む世界8か国、908人の環境科学者を対象とした調査によって、英語を母語としない研究者が被る不利益を定量化した研究(Amano et al 2022b)も発表することができました。博士課程の学生やポスドクと行っている研究も複数進行中です。

これら一連のプロジェクトの始まりはほんのちょっとした思いつきだったのですが、その後継続して取り組むことで、言語の壁という切り口から、エビデンスに基づいた保全や意思決定、科学コミュニケーション、学術界における不平等という問題など、様々なトピックに取り組みを発展させてくることができました。結果論ではありますが、その過程では、英国でのポスドク時代にあった、突拍子もないアイディアを実行に移す時間的・金銭的・精神的余裕、またこの研究でフェローシップが獲得できたことが示しているように、型にはまらない研究でも評価される環境が、それぞれ重要な役割を果たしていたと思います。また自分が重要だと思ったことに継続して取り組み、科学コミュニティ内外で機を見てその重要性を主張し続けることも、Conservation Evidenceプロジェクトを始め、様々な研究者の取り組みから学び、実行していることです。

今後もさらにプロジェクトを発展させ、生物多様性保全のために世界中で得られたあらゆる科学的知見が、言語や社会経済的背景に関わらず誰にでも利用できるような仕組みを実現していくために、少しでも貢献していければと思っています。

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Centre for Biodiversity and Conservation Scienceのオフィス

translatEプロジェクト、及びクイーンズランド大学における私の研究グループKaizen Conservation Groupでは、共同研究者やJSPS海外特別研究員、また博士課程の学生として一緒に研究してくれる方を常に受け付けています。私達のグループはCentre for Biodiversity and Conservation Scienceという生物多様性保全を目標とした国際的にも著名な研究センターに属しており、様々な専門を持つ多くの研究者と交流することができます。興味のある方は是非ご一報ください。

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鳥の学校「鳥類研究のための空飛ぶドローン講座」に参加しました

中島京也(日本ワシタカ研究センター)

 日本鳥学会2022年度大会は新型コロナウイルス対策に配慮しながら3年ぶりの現地開催となり、13回目となるテーマ別講習会「鳥の学校」も「鳥類研究のための空飛ぶドローン講座」として実施されました。2014年に日本鳥学会大会と同時に開催された国際鳥類学会議ではRound Table DiscussionでDr. David BirdとDr. Juan José Negroから鳥類調査への無人航空機の利用例が紹介されましたが、その後国内でも高画質の映像が撮影できるマルチコプター型ドローンの普及が進み、鳥類の調査や研究に空撮画像やそれらの解析データが利用されるようになってきました。近年はドローンが小型化して携帯性が向上し、機体の価格も下がってきましたので、撮影用機材として利用される機会はさらに増えると思われます。このような状況の中で「鳥の学校」としてドローンに関する講座が企画され、酪農学園大学環境共生学類環境空間情報学研究室の小川健太先生から専門的な内容を学べる機会が得られたのは効果的だと感じました。

 講座ではドローンを飛行させる際の注意点や関連する法律などの基本的な事項から撮影した画像の処理方法などの具体的な事項まで紹介され、これからドローンを使用する事を検討している参加者にとっては大変参考になったと思います。また、大きさの異なる3種類のドローンの実機も用意され、参加者による屋外での操縦体験の他に事前に設定した範囲を自動で飛行するドローンが地上の画像を連続撮影する様子やその撮影画像をデータ解析に利用する過程も確認することができ、座学だけではない「鳥の学校」の特色が活かされていました。既にドローンを調査等で使用している経験者の方も参加者に含まれていたため、冬期にドローンを使用する際のバッテリー保温方法など製品のマニュアルには載っていない具体的な対策例が参加者側から紹介されたのも参考になったと思います。

 講座で使用する参考資料のご準備の他にドローンの実機展示と多数の参加者による操縦体験にもご対応いただいたので、機体の運搬や複数の予備バッテリーの準備など小川先生と環境空間情報学研究室の皆様には通常の講義よりもお手数をおかけしたと思います。そのご協力に対しまして改めて厚く御礼申し上げます。また、「鳥の学校」の開催にご尽力いただいた日本鳥学会企画委員会の森口紗千子様をはじめとした関係者の皆様、講座終了後に路線バスを利用して公開シンポジウム会場へ向うと開始時間に間に合わないのでご自身の車両に関係者を乗せて移動していただいた参加者の皆様にも感謝申し上げます。

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鳥の学校第13回「鳥類研究のための空飛ぶドローン講座」体験記

中村晴歌(北海道大学)

 空撮や農薬散布、荷物運搬まで幅広い分野で活躍するドローンを、鳥類研究に応用するための入門講座となる「鳥類研究のための空飛ぶドローン講座」が、鳥学会2022年度の鳥の学校で開催されました。私自身は特にドローンを使った研究をしているわけではなく、ドローンの操縦体験に惹かれて参加を決めました。
 
 今回講座を担当してくださったのは、酪農学園大学農食環境学群環境共生類准教授の小川健太先生です。先生のご専門はリモートセンシングによる環境モニタリングで、北海道ドローン協会会長も務めておられます。

 講座は室内での講義パートと屋外での操縦体験パートがあり、午前中の方が天気が良いとのことでまずは操縦体験から始まりました。

ドローン操縦体験
 経験者と初心者に分かれ、東京農業大学網走キャンパスの広大な学生用駐車場で操縦体験を行いました。私はもちろん初心者チームに入り、PHANTOM RRO V2(図1)という白くて比較的小型の機体を数分間操縦させていただきました。短時間ではありましたが、参加者全員がドローン操縦を体験できました。

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図1 PHANTOM RRO V2 右が機体で左がコントローラー。コントローラーについた液晶でドローンが撮影している動画を確認できます。

操縦した率直な感想としましては、

・スティックの操作が複雑で慣れるまで時間がかかる
 私が操作したモードでは、右スティックで上昇・下降・横移動、左スティックで前進・後退・回転ができるのですが、これを正確に把握して操作するのは初心者だとかなり難しかったです(逆に、普段からシューティングゲームなどでゲーム機のコントローラーを握っているような人はかなり得意かもしれません)。

・奥行きの正確な感覚が必要
 地面に置かれた直径1mほどのシートから離発着をしたのですが、このシートの中に着陸させるのが難しかったです。左右のブレはそこまで出ないのですが、シートよりだいぶ手前や奥に着陸させてしまう方が私含め多い印象でした。

 経験者チームはINSPIRE2 X5S(図2)という黒くて大きな機体を使って駐車場側の畑の撮影を行っていました。途中カラスがそばを飛んだりしていましたが、目立ったモビング行動などは取らず。操縦体験前にはオオワシが2羽上空を飛ぶところを観察できるという嬉しいサプライズもありました。

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図2 INSPIRE2 X5S 経験者チームが操縦体験をしていた機体。機体が大きい分、近づかれた時の威圧感や飛行中の音がPHANTOM4より大きいような気がしました。調査環境や対象種によって適した機体は違ってきそうですね。

ドローンについての講義
 午後からは北海道ドローン協会が作成したドローン教科書基礎編を用いた講義をしていただきました。操縦する際の天候や機体の管理方法から2021年航空法の改正、操縦に国家資格が必要になったことなどまで幅広く学ぶことができました。

 印象に残ったのは実際の研究への応用例です。以下興味深かった部分を簡単に紹介します。

・広大な面積をもつ湖沼などでの水鳥のモニタリング
水鳥のドローンへの反応は種によって、また水面か陸上かで反応性が異なり、例えば水面での垂直接近の下限高度はカモ類>ハクチョウ>マガンの順で大きく、単純に鳥の大きさで決まるわけではない。
(詳しくは2019年に公益財団法人宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団より発行されたドローンを活用したガンカモ類調査ガイドラインhttp://izunuma.org/pdf/drone_gideline.pdfを参照)

・鳥の捕獲に使用できるかもしれない
 実際にドローンに捕虫網を取り付けて昆虫を捕獲して調査研究を行った例がある(Madden et al. 2022)。飛行能力が高い種では難しそうですが、地上性で長距離を飛べないような種では可能だったりするのでしょうか。

・送電線鉄塔の鳥の巣モニタリング
 ディープラーニングを用いて自動的に鳥の巣を発見できる(Dong et al. 2022)。送電線鉄塔だけでなく、人が直接アクセスしづらいような場所で繫殖する種のモニタリングがドローンによってどんどん可能になっていくのでしょう。すごく楽しみです。

全体を通しての感想
 今回の鳥の学校でドローンについて事前に学習したおかげで、鳥学会を聴講する際ドローンを用いた多くの研究発表をより深く理解することができました。そしてとても便利なように思えるドローンですが、実際はバッテリーの持続時間や天候の問題、高度な操作技術の必要性など鳥の研究に応用する上でまだまだ難しい点がたくさんあることを初めて知りました。発想次第ではまだまだ新しい応用方法がこれからいくらでも出てきそうなので、今回のようなそれまでドローンに触れたことのない人でも気楽に操縦体験ができる機会が今後もっと増えていくことを願います。

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鳥の学校(第13回テーマ別講習会)「鳥類研究のための空飛ぶドローン講座」報告

企画委員会 森口紗千子

 
 鳥の学校-テーマ別講習会-では,専門家を講師として迎え,会員のレベルアップに役立つ講演や実習を行っている.第13回は,2年ぶりに対面で開催された2022年度大会と連結して,大会初日の11月3日に大会会場である東京農業大学網走オホーツクキャンパスで行われた.近年,鳥類の野外調査でも使用され始めたドローンを使う上で,ドローンを鳥類調査に用いるために必要な知識と技術を養ってもらうため,機種,法令,安全管理,データ解析,鳥類への影響等に関する座学と,操縦実習まで,小川健太氏(酪農学園大学)を講師にお迎えし,26名の会員が参加した.

 天候が午後から悪化する予報であったため,講師の紹介と簡単な説明の後,さっそくドローンの野外実習を大会会場の駐車場で行った.講師らによる2種類のドローンの操縦や撮影の実演に加え,経験者と初心者にグループ分けされた参加者も操縦を体験した.

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図1_座学風景

 後半は座学で,ドローンの一般的な知識や使用方法,国家資格化の動向などの最新情報に加え,鳥類の調査研究のための水鳥類の自動カウントなどの実践的な手法を学んだ.さらに,野外実習で撮影した画像データを用いた解析のデモンストレーションへと続いた.座学では,ドローンの使用経験のある参加者と講師の間をはじめ,活発な情報交換が行われ,低温下でのバッテリーの保管方法など,使用時のポイントが議論された.

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図2_参加者のドローン操縦体験

 事後アンケートによると,参加者のうちドローン経験者からは,悩みの共有や新しい知見の情報交換ができた,ドローン初心者からは,操縦体験だけでなく新しい技術にも触れられた,ドローンを用いた研究発表への理解が深まったなどの感想が寄せられ,質問できる機会が多くてよかったなど,参加者の満足度も高かった.ドローンの準備から始まり,幅広い内容にわたる座学と,参加者との相互のやり取りを重視して講義を進めてくださった講師,野外実習を補助していただいた助手の方々,コロナ禍の大会開催という困難の中,会場準備にご尽力いただいた大会実行委員会の方々,そして円滑な進行にご協力いただいた参加者の方々に,深くお礼申し上げる.

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図3_ドローンからの撮影

 鳥の学校-テーマ別講習会-は,今後も大会に接続した日程で,さまざまなテーマで開催する予定である.鳥の学校の案内は,大会ホームページや学会誌に掲載する.

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第6回日本鳥学会ポスター賞「生態系管理・評価・保全・その他」部門を受賞して

徳長ゆり香 (日本獣医生命科学大学)

 この度は、日本鳥学会2022年度大会において、「生態系管理・評価・保全・その他」部門のポスター賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。研究の指導をして下さった先生方や共著者の皆様に良い報告ができたことを嬉しく思います。

 初めて発表者として参加した鳥学会でしたが、沢山の参加者の皆様から様々な意見をいただいたりディスカッションをしたりすることができたため、自身の研究を多角的な視点で捉え直すきっかけとなりました。コロナ禍が続く中、対面開催の準備・運営をしてくださった大会関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。貴重な機会をいただきありがとうございました。今後も良い研究成果が得られるよう、研究に邁進してまいります。

ポスター発表の概要
 マイクロプラスチック(MPs)による汚染問題は地球規模に広がっています。大気中マイクロプラスチック(AMPs)は、MPsの中でも小さく、都市部だけでなく自由対流圏、さらに、ヒトの肺からも検出されており、MPsを吸入することによる健康被害が懸念されています。鳥類は哺乳類よりも呼吸効率が良いため大気汚染の影響を受けやすいことで知られていますが、これまで鳥類がMPsを吸入し、それが肺に到達・蓄積するかどうかは解明されていませんでした。
本研究では、野生鳥類の肺における MPs の存在を明らかにするため、日本国内で有害鳥獣として捕獲され安楽死させられたカワラバト、ツバメ、トビの肺サンプルを、顕微フーリエ変換赤外分光光度計のATRイメージング法で分析しました。

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感染症対策を講じて検体を解剖し肺を採材する

 その結果、3種22羽のうち、2羽のカワラバトと1羽のツバメから計6個の破片状MPsが検出されました。MPsのポリマー材質はレジ袋、ラップ、バケツなどの原料であるポリエチレン(PE)、ストロー、医療器具、自動車部品などの原料であるポリプロピレン(PP)、スニーカーやランニングシューズのソール、クロッグサンダル、建築資材にも使われるエチレン酢酸ビニル(EVA)の3種類であり、いずれも日本の大気から検出事例のあるポリマーでした。日本においてカワラバトは留鳥であり、ツバメは夏鳥ですがMPsが検出された個体は幼鳥であったことから、いずれのMPsも日本で吸入されたものであることが判明しました。

 本研究は、一部の野生鳥類が摂食だけでなく吸入によってもMPsに汚染されていること、吸入したMPsが肺に到達することを初めて証明しました。MPsは有害な化学物質を含んでいたり吸着したりしている場合があるだけでなく、小さなMPsは肺から血流に入り全身臓器に到達する可能性があるため、摂取量が少なくても重大な健康影響を及ぼす恐れがあります。今後は、気嚢を含む呼吸器系や循環系におけるMPs の汚染実態と健康影響を解明するために研究を続けていきたいと考えています。

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第6回日本鳥学会ポスター賞「行動・進化・形態・生理」部門を受賞して

姜雅珺(千葉大・院・機能生態研究室)

 この度、日本鳥学会2022年度大会において「行動・進化・形態・生理」部門のポスター賞を授与して頂き誠にありがとうございました。

 終始熱心なご指導を頂いた千葉大学機能生態研究室の村上正志教授に感謝の意を表します。また、実験の実施にあたり、千葉大学生物機械工学研究室劉浩教授、日本野鳥の会十勝支部室瀬秋宏様、行徳野鳥観察舎友人会佐藤達夫様、久米島ホタル館佐藤文保様、山階鳥類研究所山崎剛史様に大変お世話になりました。ありがとうございました。とくに、風洞実験を指導して頂いた千葉大学生物機械工学研究室・D3村山友太様に感謝の意を表します。

 そして、わたしのポスターをご覧にいただき、たくさんの有益なコメントを頂いた皆様に感謝しております。また、鳥学会の運営の皆様、記念品をご提供いただいたモンベル様に感謝の意を表します。今大会を通じて、多くの示唆と刺激を得ることができました。皆様から頂いた貴重なご意見を踏まえて、今後研究を進めていきたいと思っています。
 
 本研究はJST奨学金の支援を受けて実施しています。

研究の概略
 鳥類の翼は「飛翔」という鳥類にとって最も重要な機能を司っています。その形態は各種の生態学的ニッチと関係し、操縦性能や飛翔速度といった機能に影響を与えると考えられます。先行研究で、羽ばたき飛翔において翼先端部 =hand-wingで生じた揚力と推進力が重要であることが示されており、翼先端の形態が飛翔機能と密接に関連すると考えられます。このような翼先端の形態として、翼端スロットの有無が注目されます。これまで、鳥の翼機能形態と飛翔に関してはたくさんの研究が行われていますが、翼先端の形質に集中してその飛翔性能との関係を解析することで、鳥類種間での翼機能の違いをより詳しく評価できると考え、研究を進めています。
 
 本研究では、91種のさまざまな飛翔行動と生息環境をもつ鳥類について、飛翔性能に関わると考えられる翼先端形質を、Klaassen van Oorschotの提案した指数 E (Emarginate index) とTi (wingtip sharp index) で評価し、さらに、アスペクト比とセミランドマーク法で翼全体の形を評価しました。その上で、これらの翼先端形質、及び翼形質が鳥類の飛翔行動や生息環境と相関を示すことを確かめました。つまり、短距離飛翔の鳥の翼は短く、先端が丸く、スロットのある形である一方、滑空飛翔の鳥の翼は長く、先端が尖って、スロットのない形でした。また、セミランドマーク法によって、翼先端の輪郭において羽ばたき飛翔の翼と滑空飛翔の翼が大きく異なっていることが示されました。これらの結果から、飛翔を特徴づける翼の形態として、初列風切羽分散度合、つまり、翼に占める初列風切羽の範囲が新たな形質指標と提案できます。羽ばたき飛翔と滑空する種では、初列風切羽分散度合が大きく異なっていました。

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 さらに、初列風切羽分散度合が、なぜ飛翔行動と関係するのか、機能的に調べるために、PIV粒子画像流速法によって風洞実験を実施しました。その結果、高迎角の際に、羽ばたき飛翔する鳥の翼は初列風切羽分散度合が小さいにもかかわらず、この部分を含むhand-wingで渦を安定させることで空力性能を維持していることがわかります。一方、滑空飛翔の翼は初列風切羽分散度合が大きいのですが、空力性能は翼全体で保っていることがわかりつつあります。風洞実験については、まだ条件が安定しないなど、課題がたくさんありますが、たくさん実験をして良い結果を得られればと頑張っているところです。

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第6回日本鳥学会ポスター賞「繁殖・生活史・個体群・群集」部門を受賞して

大泉龍太郎(岩手大学農学部森林科学科)

 このたびは日本鳥学会2022年度大会において「繁殖・生活史・個体群・群集」部門のポスター賞をいただき誠にありがとうございます。

 学部4年生でポスター発表を行うということには不安や緊張もありましたが、周りの支えがあり無事発表を行うことができました。背中を押してくださった先輩方、調査に同行してくれた同期、そして研究全般においてたくさんご指導をくださった山内貴義先生に改めて感謝申し上げます。また、大会を運営してくださった皆さま、記念品をご提供いただいた株式会社モンベル様にも感謝申し上げます。

ポスター発表の概要
 コムクドリは本州中部以北で繁殖する夏鳥で、その生息環境は、北海道では市街地・農耕地、本州中部では農耕地の他に落葉広葉樹林や針広混交林の疎林であるという先行研究があります。一方、東北地方での研究は少なく、特に北東北での生息環境については詳細が分かっていません。そこで本研究では岩手県盛岡市においてコムクドリの渡りと渡去の時期を明らかにし、そして繁殖期の生息環境の選好要因を明らかにすることとしました。さらに近縁種であるムクドリとの相互関係についても考察しました。

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調査地(市街地)

 盛岡市にある高松公園で定期調査ルートを設け、両側50m幅でコムクドリとムクドリを記録しました。また、盛岡市を3次メッシュで844区画に分けて「市街地」「農耕地」「森林」「市街地と農耕地(市・農)」「農耕地と森林(農・森)」「市街地と森林(市・森)」という6つのカテゴリーに区分し、その中から177区画を無作為に抽出しました。区画ごとに1kmの調査ルートを設け、両側50m幅でコムクドリとムクドリ及びその他の鳥類を記録しました。

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調査地(農・森)

 調査の結果、5月上旬から個体が発見され、7月上旬には確認されなくなりました。解析の結果、5月、6月に比べ7月の個体数発見が極端に少ないことが分かりました。生息環境に関してはカテゴリーごとと環境面積ごとに分けて解析を行いました。環境面積ごとの解析は、GLMによるモデル選択と、出現区画と未出現区画の面積を比べる古典的な解析の2種類を行いました。カテゴリーごとと合わせた3種類の解析で、コムクドリ、ムクドリともに市街地、農耕地、市・農に出現するが、コムクドリは市街地寄りに、ムクドリは農耕地寄りに生息していることが分かりました。また、森林には全く生息しないことも分かりました。この結果から北東北におけるコムクドリの生息環境が本州中部よりも北海道に近いと考えられました。また、市街地、農耕地ではコムクドリとムクドリの棲み分けが示唆されました。

 本研究及びポスター発表を通じて、多くの学びや課題を見つけることができました。また、発表ではたくさんのご指摘・アドバイスをいただきました。来年は修士課程へと進学するので、今後も引き続きコムクドリの生態について、新たな発見ができるよう努力していきたいと思います。

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津戸基金によるシンポジウムの公募が始まりました

日本鳥学会基金運営委員会

 学会では、2023年8月から2024年3月の間に国内で開催される鳥学に関するシンポジウムを対象に助成を行ないます。審査の結果、採択されると、会員津戸英守氏の寄付に基づく津戸基金より最大10万円の助成を受けることができます。ふるってご応募下さい。
 詳しくは、公募情報をご覧下さい。

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日本鳥学会2022年度大会 高校生プログラム(小中学生も可!)のご報告

牛山克巳・山本麻希(企画委員会)

 
 例年大会を盛り上げてくれる高校生によるポスター発表ですが、それだけでは高校生のみなさんにせっかく網走まで来てもらうのに申し訳ない!と、今年はキャンパスツアー「突撃!東京農業大学北海道オホーツクキャンパス!」、さらにはキャリア育成ワークショップ「高校生のための鳥学講座」を実施しました。
 
 キャンパスツアーでは、東京農業大学家畜生産管理学研究室の大久保先生と大学院生の目黒さんから、学部のことやエミューの研究を紹介していただきました。エミューって2カ月もオスが飲まず食わずで抱卵し続けるのですね…。また、白木先生のもとで研究を行っていたお二人のOGにもいらしていただき、大学選びの過程からキャンパスライフ、今の職業に至った道筋などについて紹介していただきました。座学のあとはエミューの飼育施設を遠目から見学し、エゾシカの飼育施設にも行ってササをあげて癒されました。
 
 ポスター発表は一般のポスター発表が行われている体育館とは離れた教室で実施したので、大会参加者のみなさまに聞きに来てもらえるか心配でしたが、ふたを開けてみたら換気に追われるほどたくさんのみなさまにいらしていただきました。中高生のみなさんも自信を持って発表しているのが印象的でした。

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ポスター発表の様子1
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ポスター発表の様子2
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林内散策路で野鳥観察
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サケがたくさん泳いでいる網走川

 なお、今年度の高校生ポスター賞は以下の通りです。

● 最優秀賞
 「フクロウの給餌食物解明に向けたペリット分析と映像分析の比較」
  緒方 捷悟、坂井 智洋、門脇 優依、多湖 由海、田中 来瞳、
  藤田 直花(三重県立桑名高等学校 MIRAI研究所)

● 表現賞
 「フクロウが好む巣箱って知ってる?」
  丹下 翠(三重大学教育学部付属中学校)

● 科学賞
 「柳瀬地区におけるカラスの大量発生の原因について」
  角島 凪(中央大学附属高等学校)

● 努力賞
 「みや林における鳥類定点観察からの考察」
  西田 康平(桐朋高等学校 生物部 鳥類班)

 キャリア育成ワークショップでは、越智大介さん(水産研究・教育機構)と須藤明子さん(株式会社イーグレット・オフィス)から、それぞれ「日和見主義的鳥学生活~「楽しく」研究活動を続けるために~」、「野鳥をまもりたい獣医、野鳥を狙撃するのはなぜ?」と題してお話しいただきました。その後、キャリア形成に関わる疑問,将来に関する悩みなどについて考えるワークショップを行う予定でしたが、講師陣の熱の入ったプレゼンでタイムアップ!それでも普段聞けない面白い話しがたくさん聞けたと思います。

  最後に、参加者からの参加報告を紹介します!

「日本鳥学会感想文」 

角島凪(中央大学附属高等学校 3 年)

 この度、有難い事に高校生の部で科学賞を頂くことができました。ありがとうございました。
 私は当学会を通して多くの学びを得ました。公開シンポジウムで印象に残っているのは、アイスアルジーによる海底への餌の供給、シャチのサドルパッチの違いと食性の違いの二つです。また、私の研究対象と同じカラスを研究対象としている研究を多く拝見しました。特に私が自分の研究でつまずいていた、カラスによる農作物被害の対策案について、緑色のレーザー光が赤色レーザーに比べて効果的で、更には動かして放射した方が効果的であること。さらに、1305㎡以下の農地面積であれば「くぐれんテグスちゃん」(農研機構 吉田さん)を、それ以上であれば緑色レーザー(長岡技大 山本さん・笹野さん)を使用するのがコストの観点では良いという話がありました。私の調査地域の所有農地面積はバラバラであるため、所有面積に適した対策案を提示できる可能性に期待が膨らみました。
 高校生ポスター発表では、多くの方々 から多岐にわたる視点で助言を頂きました。
 このような機会を作ってくださった日本鳥学会の役員の皆様、私の研究に助言を下さいました研究者、学生の皆様、心より感謝申し上げ ます。

「日本鳥学会2022年度大会でポスター発表をしました!」

都立国分寺高等学校

 11月5日(土)~6日(日)、「日本鳥学会」に参加しました。会場は、北海道網走市の「東京農業大学 北海道オホーツクキャンパス」です。本校からは下記の2組(2年生3名,1年生1名)が校生ポスター部門で発表を行いました。
・ 「カラスバトの音声コミュニケーションについて」(久保・相田)
・ 「カラスバトのGPSを使ったその生態の解明」(石井・大野)
 また、受賞記念講演や高校生のための鳥学講座を聴講したり、野鳥研究会の学生さんの案内でキャンパス内の林内散策路を歩いて野鳥を探したり、飼育されているエゾシカやエミューを見せていただいたりして、とても充実した時間を過ごしました。

【生徒の感想】
・参加者の方々とたくさんディスカッションすることができて楽しかったです。
・発表を聞いてくださった研究者の方々から様々な視点でアドバイスをいただいたので、それらを今後の研究に活かして行きたいです。
・他校生の研究発表にも大変刺激を受けました。

【生徒が撮影した写真】

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朝の散策(オホーツク海)1
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早朝の散策(オホーツク海)2
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早朝の散策(オホーツク海)3
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キャンパス内の林道からの景色
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アカゲラ
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シノリガモ
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オオワシ
(撮影者:久保光次郎)
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